1 つの Google Workspace アカウントで複数のドメインを管理している場合は、ドメイン別の Google Workspace アカウントに移行できます。
たとえば、1 つの Google Workspace アカウントで 2 つのドメインを管理している会社が 2 社に分かれる際に、一方のドメインを別の Google Workspace アカウントに移行します。ドメイン、管理者、ユーザー、請求はそれぞれの会社で管理します。
Google Workspace for Education と Chrome デバイス
Google Workspace for Education の管理者で、ユーザーが管理対象の Chrome デバイスを使用している場合は、Google Workspace for Education アカウントを分離する手順が異なります。
- プライマリ ドメインを変更するには、サポート チケットを送信する必要があります。詳しくは、Google Workspace のプライマリ ドメインを変更するをご覧ください。
- Google Workspace for Education スタートガイドを参照して、新しい Google Workspace for Education アカウントを作成してください。
- 次に、新しいアカウントに移行する Chrome デバイスをデプロビジョニングし、新しいアカウントでプロビジョニングする必要があります。
仕組み
この概要では、Google Workspace アカウントでプライマリ ドメイン solarmora.com とセカンダリ ドメイン example.com を管理しており、example.com を別の Google Workspace アカウントに移行するものとします。
- 新しい Google Workspace アカウントを申し込みます。その際に、所有するドメインまたはサブドメイン(例: temp.example.com)を使用します。このドメインは、ドメインを切り替えるまでのプレースホルダです。
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temp.example.com の新しいアカウントに、現在の example.com の各ユーザーに対応するユーザー アカウントを作成します。
- 現在のアカウントから新しいアカウントのユーザー アカウントに、ユーザーのメール、ファイル、データをコピーします。たとえば、[email protected] のメールを [email protected] にコピーします。
- 現在のアカウントから example.com を削除します。
- 新しいアカウントに、セカンダリ ドメインとして example.com を追加します。
- 新しい Google Workspace アカウントで、プライマリ ドメインを temp.example.com から example.com に切り替えます。その後、ユーザーのアドレスを example.com を使用するように更新します。
これで、別の Google Workspace アカウントを作成して、そこに example.com のユーザーを移行できました。
始める前に
- この手順は、サービスを使えない時間が想定より長くなっても企業や組織に影響がないときに行ってください。セカンダリ ドメインやエイリアス ドメインを最長で 48 時間使用できない場合があります。
- 現在の Google Workspace アカウントと新しい Google Workspace アカウントの両方に、特権管理者としてログインできることを確認します。
- ドメインの MX レコードと TXT レコード(メールの設定とドメインの所有権証明に必要)を更新できることを確認します。
- プライマリ ドメインを変更できることを確認します。一部の種類の Google Workspace アカウントまたは G Suite アカウントでは、プライマリ ドメインを変更できません。その他の制限について詳しくは、Google Workspace のプライマリ ドメインを変更するをご覧ください。
バックアップとして保存する Google Workspace データをすべてダウンロードします。このデータには、Gmail のメール、Google カレンダーの予定、Google ドライブに保存されているファイルが含まれます。ユーザーのデータのダウンロードと書き出しには、データ エクスポート ツールの利用をおすすめします。詳しくは、組織のデータを書き出すをご参照ください。
注: ダウンロードしたデータを他の Google Workspace アカウントにアップロードすることはできません。ただし、ダウンロードしたデータを Google Cloud Platform コンソールで開くことができます。
この手順は、プライマリ ドメイン solarmora.com の Google Workspace アカウント、セカンダリ ドメイン(example.com)を参照します。その後、ドメイン example.com は別の Google Workspace アカウントに移動されます。
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Google Workspace に申し込む
新しい Google Workspace アカウントを申し込みます。その際に、所有するドメインまたはサブドメイン(例: temp.example.com(temp.[ドメイン名].com))を使用します。このドメインは、ドメインを切り替えるまでのプレースホルダです。
- 新しい Google Workspace アカウントを設定する
プレースホルダ ドメイン temp.example.com の所有権を証明し、メールを設定します。その後、有料の Google Workspace サブスクリプションを開始します。早期払いの方法
- ユーザーとグループを作成する
新しい Google Workspace アカウントに、現在の Google Workspace セカンダリ ドメインの各ユーザーに対応するユーザーを、同じ名前およびエイリアスを使用して作成します。
たとえば、jin@example.com というユーザーがいる場合は、新しい Google Workspace アカウントで jin@temp.example.com というユーザーを作成します。ユーザーの作成方法重要: 現在の Google Workspace アカウントでは、ユーザーの削除や名前変更を行わないでください。
現在の Google Workspace アカウント
セカンダリ ドメイン
example.com新しい Google Workspace アカウント
プライマリ ドメイン
temp.example.com
- jin@example.com
- karla@example.com
- jin@temp.example.com
- karla@temp.example.com
その後、新しい Google Workspace アカウントにグループを再作成します。グループの作成方法
セカンダリ ドメイン内のユーザーごとに、現在の Google Workspace アカウントから新しいアカウントにメールとファイルをコピーします。たとえば、jin@example.com のメールを jin@temp.example.com にコピーします。
- 詳しくは、Google Workspace アカウント間でデータを移行するをご覧ください。
- ユーザーのメールを各自の新しい Google Workspace アカウントにコピーします。
- 各ユーザーの Google ドライブ フォルダ内のファイルをダウンロードまたは圧縮します。このファイルを temp.example.com の各ユーザーの Google ドライブにアップロードします。
- Google カレンダーの予定などさまざまな種類のデータをコピーする手順や、新しい一時的なアカウントに受信メールを転送する手順をユーザーに案内します。または、管理者がユーザーのアカウントにログインして、代わりに行うこともできます。
現在のアカウントからセカンダリ ドメインを削除して、新しいアカウントにドメインを追加できるようにします。
セカンダリ ドメイン example.com のユーザーをプライマリ ドメイン solarmora.com に一時的に切り替えます。その後、セカンダリ ドメイン example.com を現在の Google Workspace アカウントから削除します。
ステップ 1: 切り替えのタイミングを選択する
ドメインを削除すると、新しい Google Workspace アカウントにドメインを追加して所有権を証明するまで、ユーザーは Gmail やドライブなどのサービスを使用できません。また、新しい Google Workspace アカウントにドメインを追加できるようになるまでに、最長で 24 時間ほどかかることがあります。詳細
- ドメインをアカウントから削除するタイミングを決めます。週末または組織が比較的忙しくない時間帯を選択することをおすすめします。
- 移行にともない、ユーザーとアカウントとメールが一時的に利用できなくなることをユーザーに通知します。
- 次に、新しいアカウントに移行する Chrome デバイスをデプロビジョニングし、新しいアカウントでプロビジョニングする必要があります。
ステップ 2: 現在のアカウントからドメインを削除する
ユーザー、グループ、エイリアスからセカンダリ ドメイン(example.com)を削除します。その後、現在の Google Workspace アカウントからセカンダリ ドメインを削除できます。
重要 : 現在の Google Workspace アカウントでユーザー アカウントを削除しないでください。
- Google サイトをご利用の場合: ドメインを削除すると、そのドメインで構築したすべてのサイトが完全に削除されます。ドメインを削除する前に、保存しておきたいサイトを新しい Google Workspace アカウントにコピーしてください。現在の Google Workspace アカウントにログインし、手順に沿って以前のサイトをコピーします。
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削除するドメインを使用しているグループを削除します。
- 現在の Google Workspace アカウントのプライマリ ドメインを一時的に使用するようにユーザーを切り替えます。後で新しい Google Workspace アカウントを設定する際に、それらのユーザーを削除できます。
- メニュー アイコン
[ディレクトリ] > [ユーザー] に移動します。
- 管理コンソールの上部にある検索バーに「domain=example.com」と入力します(example.com は実際のセカンダリ ドメインに置き換えてください)。ヒント: ユーザー数が多い場合は、まとめて名前を変更できます。
- [ユーザー] のリストで、ユーザー名をクリックします。
- @ の横にある下矢印アイコン
をクリックし、プライマリ ドメイン(または別のセカンダリ ドメイン)を選択します。
- [ユーザーの更新] をクリックします。
- メニュー アイコン
-
ユーザーの予備のメールアドレス(メール エイリアス)からセカンダリ ドメイン example.com を削除します。
- メニュー アイコン
[ディレクトリ] > [ユーザー] に移動します。
- [ユーザー] のリストで、ユーザー名をクリックします。
- [予備のメールアドレスを追加] をクリックします。
- メールアドレスでセカンダリ ドメインが使われている場合は、削除アイコン
をクリックします。
- メニュー アイコン
新しい Google Workspace アカウントにドメイン example.com を追加します。その後、プライマリ ドメインを temp.example.com から example.com に切り替えます。
Google Play デベロッパー アカウントに関連付けられたユーザー アカウントを管理する
これらのユーザー アカウントは、新しいドメインに移動すると、Google Play デベロッパーとの関連付けが失われます。統合前のドメインでユーザー アカウントを削除した後に、新しいアカウントを使用して Google Play デベロッパー アカウントを作成してください。続いて、その新しいアカウントへのアプリの移行をリクエストします。詳しくは、別のデベロッパー アカウントへのアプリの移行をご参照ください。
- 新しいアカウントで、example.com をセカンダリ ドメインとして追加します。[このドメイン名はエイリアスまたはドメインとしてすでに使用されています] というメッセージが表示されることがあります。ドメインの削除後、そのドメインを新しいアカウントに追加できるようになるまでには最長で 24 時間ほどかかるためです。
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新しい Google Workspace アカウントで example.com の Gmail を有効にします。
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プライマリ ドメインを temp.example.com から example.com に切り替えます。注: temp.example.com ドメインを削除しないでください。
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example.com がメインのメールのドメインとして使用されるように、各ユーザーのアドレスを更新します。
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ドライブにファイルをアップロードする手順や、ユーザー パスワードを更新する手順をユーザーに案内します。これで、ユーザーは example.com のアカウントとそのデータを利用できるようになりました。
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(省略可): Google Workspace アカウントから、セカンダリ ドメイン(temp.example.com)を削除します。