YouTube で目にする情報が信頼できるものであることは視聴者にとって重要な要素です。このことを受けて、一部の動画において、説明欄を開くと「このコンテンツの作成手段」というセクションが表示され、そこに「カメラで撮影」という開示が表示されるようになります。この開示は、クリエイターが特定のテクノロジーを使用して、動画の出所を確認し、音声や映像が改変されていないことを証明するものです。これは、改変または合成されたコンテンツに関するポリシーと併せて、YouTube の透明性の向上に向けた取り組みの一環として準備された機能です。
仕組み
- 確認に必要なテクノロジー: この開示情報を適用するには、安全なメタデータをコンテンツに付加する特定のテクノロジー(特定のカメラ、ソフトウェア、モバイルアプリ)を使用する必要があります。このメタデータは、動画の出所と、音声と映像が改変されているかどうかを確認するものです。
- C2PA 標準: このテクノロジーは、Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)によって開発された、コンテンツの出所と真正性に関するオープン標準に基づくものです。この標準により、ユーザーは画像、動画、音声などのさまざまな種類のメディアの真正性と出所を把握できます。
「カメラで撮影」を適用する方法
説明欄に「カメラで撮影」が表示されるようにするには、C2PA サポート(バージョン 2.1 以降)が組み込まれたツールを使用して動画を撮影する必要があります。これにより、動画ファイルに特別な情報(メタデータ)が付加され、動画の真正性を確認できるようになります。コンテンツが「カメラで撮影」されたという情報が YouTube に転送され、YouTube がこのメタデータを検出すると開示を適用します。また、コンテンツの音声と映像が編集されていないことが必要です。つまり、この開示は、コンテンツがカメラなどの録画デバイスを使用して撮影され、音声や映像が編集されていないことを示すものです。
避けるべき編集
「カメラで撮影」を適用できるようにするには、次のような編集を行ってはなりません。
- 来歴の連鎖を断ち切る編集、または動画の元のソースにさかのぼれなくなる編集。たとえば、C2PA メタデータ付きで画像を撮影したものの、C2PA バージョン 2.1 以降をサポートしていないスマートフォンのフォトアルバムに保存すると、来歴の連鎖が途切れる可能性があります。
- 音声や映像など、動画の本質的な性質やコンテンツに大幅な改変を加えること。
- 動画が C2PA 標準(バージョン 2.1 以降)に準拠しなくなるような編集。
制限事項
「カメラで撮影」は、クリエイターが撮影中に C2PA テクノロジーを使用することを選択した場合にのみ表示されます。この開示が表示されていないことをもって、コンテンツの音声や映像が改変されていることを示すものではありません。
「カメラで撮影」の開示につながるメタデータは、カメラメーカーなどの第三者が生成するメタデータに依存しています。そのため、画面に表示されている合成コンテンツをカメラで撮影するというリスクが生じます。この場合、その画面に表示されている画像が修正されたものである以上、「カメラで撮影」の開示の対象にはなりません。この問題は「エアギャッピング」と呼ばれます。カメラメーカーはエアギャッピングを防ぐための検出手段の開発を進めていますが、当面の間、その検出手段の精度にはばらつきが生じる可能性があります。