音楽レーベルや配信会社パートナーの場合は、楽曲本編のリリース前に、DDEX を使用してプレビュー スニペットを配信することで、ショートの音楽をプロモーションできます。プレビューの詳細が DDEX フィードで通知されると、プレビューのアートトラック動画が作成され、フィードで指定した日時以降から YouTube ショート ミュージック ライブラリで利用できるようになります。
対応する本編のアートトラックは、フィードで指定した日時までリリースされません。プレビューのアートトラック動画と本編のアート トラック動画には、同じサウンド レコーディング アセットが埋め込まれます。
本編のトラックがリリースされると、プレビューを使用しているショート動画はすべて自動的に更新されて、本編のトラックにリダイレクトされます。また、プレビューを使って作成された、関連するショート動画のピボット ページも更新されます。
プレビューを作成してショート動画で視聴できるようするには、以下を行う必要があります。
- アートトラック フィードを更新して、プレビューの詳細を伝える。
- Content ID フィードを更新する、またはサウンド レコーディング アセットの一致ポリシーを編集する。
1. アートトラック フィードを更新する
開始時間と終了時間を指定する
以下の XML スニペットの例を使って、開始ポイントと終了ポイント、または開始時間と再生時間に基づくプレビューを作成できます。
XML スニペットの例
次の XML スニペットで、ノンカット音声ファイルの特定のセグメントから、開始ポイントと終了ポイントを使用してプレビューを作成します。プレビューを作成するには、ノンカットの音声ファイルを指定する必要があります。
<TechnicalSoundRecordingDetails>
<TechnicalResourceDetailsReference>T1</TechnicalResourceDetailsReference>
<!-- IsPreview is set to false to signal the full audio file is sent we should create preview using start and end point->
<IsPreview>false</IsPreview>
<PreviewDetails>
<StartPoint>30</StartPoint>
<EndPoint>60</EndPoint>
<ExpressionType>Instructive</ExpressionType>
</PreviewDetails>
<File>
<FileName>full-length-track.mp3</FileName>
<FilePath>resources/</FilePath>
</File>
</TechnicalSoundRecordingDetails>
開始時間と長さ(ISO 8601 形式)を使用してセグメントを指定することもできます。
次の XML スニペットでは、フルトラックの冒頭から 30 秒後にプレビューを作成し、プレビューの長さが 45 秒になるよう指定しています。
<PreviewDetails>
<StartPoint>30</StartPoint>
<Duration>PT0H0M45S</Duration>
<ExpressionType>Instructive</ExpressionType>
</PreviewDetails>
リリース日を指定
以下は、プレビュー版をリリースするタイミングを指定できる XML スニペットの例です。
XML スニペットの例
パートナーは、<ClipPreviewStartDate>
または <ClipPreviewStartDateTime>
を使用して、ショート動画を同期させるタイミングを指定できます。本編トラックの配信が開始されると、プレビューの配信は終了します。
- 開始日は、
<ClipPreviewStartDate>
または<ClipPreviewStartDateTime>
で指定されたもののみが有効です。その他の開始日(例:<ReleaseDisplayStartDate>
、<TrackListingPreviewStartDate>
、<CoverArtPreviewStartDate>
)はスキーマの検証には必要ですが、同期のタイミングとしては無視されます。 - メッセージに
<ClipPreviewStartDate>
または<ClipPreviewStartDateTime>
が存在しない場合、<PreviewDetails>
は無視されます。 - 指定する開始日はすべて同じ種類(「日付」や「日時」など)にする必要があります。
- 本編の公開日より前には、初回以降のすべての更新されたメッセージ(メタデータの更新など)に
<ClipPreviewStartDate>
または<ClipPreviewStartDateTime>
が含まれる必要があります。これを省略すると、YouTube ショートでプレビューのクリップが利用できなくなる可能性があります。 - プレビューを YouTube ショート ライブラリに表示できるよう、
<ClipPreviewStartDate>
(または<ClipPreviewStartDateTime>
)が<StartDate>
(または<StartDateTime>
)より前になっているようにしてください。
<ReleaseDeal>
<DealReleaseReference>R1</DealReleaseReference>
<Deal>
<DealTerms>
<CommercialModelType>SubscriptionModel</CommercialModelType>
<Usage>
<UseType>NonInteractiveStream</UseType>
<UseType>OnDemandStream</UseType>
</Usage>
<TerritoryCode>Worldwide</TerritoryCode>
<ValidityPeriod>
<StartDate>2021-12-10</StartDate>
</ValidityPeriod>
<ReleaseDisplayStartDate>2021-01-
01</ReleaseDisplayStartDate>
<TrackListingPreviewStartDate>2021-01-01</TrackListingPreviewStartDate>
<CoverArtPreviewStartDate>2021-01-01</CoverArtPreviewStartDate>
<ClipPreviewStartDate>2021-01-01</ClipPreviewStartDate>
</DealTerms>
</Deal>
<EffectiveDate>2022-01-01</EffectiveDate>
</ReleaseDeal>
2. Content ID フィードを更新する、またはサウンド レコーディング アセットの一致ポリシーを編集する
Content ID フィードは更新することをおすすめしますが、上記で作成したショート プレビュー ポリシーを使用するようにサウンド レコーディングの一致ポリシーを更新することもできます。一致ポリシーは、本編トラックがリリースされた後に適用される点にご注意ください(スケジュール設定されたポリシーが設定されていない場合)。
Content ID フィードを更新する
以下に、本編の一致ポリシーに加え、ショート プレビューに適用する一致ポリシーを伝える XML スニペットの例を示します。
XML スニペットの例
<DealList>
<ReleaseDeal>
<DealReleaseReference>R1</DealReleaseReference>
<!-- Monetize Previews, block otherwise before release date -->
<Deal>
<DealReference>YT_MATCH_POLICY:Block except Shorts Previews</DealReference>
<DealTerms>
<CommercialModelType>RightsClaimModel</CommercialModelType>
<Usage>
<UseType>UserMakeAvailableUserProvided</UseType>
</Usage>
<!-- Add custom territory restriction to saved policy -->
<TerritoryCode>US</TerritoryCode>
<!-- Add custom schedule to saved policy -->
<ValidityPeriod>
<EndDateTime>2018-07-23T16:59:38+00:00</EndDateTime>
</ValidityPeriod>
</DealTerms>
</Deal>
<!-- UNCHANGED: Monetize after release date -->
<Deal>
<DealTerms>
<CommercialModelType>RightsClaimModel</CommercialModelType>
<Usage>
<UseType>UserMakeAvailableUserProvided</UseType>
</Usage>
<TerritoryCode>US</TerritoryCode>
<ValidityPeriod>
<StartDateTime>2018-07-23T16:59:38+00:00</StartDateTime>
</ValidityPeriod>
<RightsClaimPolicy>
<RightsClaimPolicyType>Monetize</RightsClaimPolicyType>
</RightsClaimPolicy>
</DealTerms>
</Deal>
</ReleaseDeal>
</DealList>
サウンド レコーディング アセットの一致ポリシーを編集する
- Studio コンテンツ マネージャにログインします。
- 左側のメニューから [ポリシー]
を選択します。
- [新しいポリシーを追加]
[YouTube ショートのプレビュー ポリシーを追加] をクリックします。
- [ポリシー名] と [ポリシーの説明] を入力します。
- YouTube ショートのプレビュー ポリシーを設定するには、下記の例を参考にしてください。
- [参照コンテンツの一致量] の横で、許容される長さを秒単位で入力します。
- ショート動画の長さは最大 60 秒です。
- 本編トラックのショート動画をリリース日に視聴できるようにするには、参照ファイルを 16 秒以下の時間使用するショート動画を許可する [参照コンテンツの一致量] の条件を一致ポリシーで設定する必要があります。つまり、参照の一致は 16 秒を超える値に設定する必要があります。
- [保存] をクリックします。
- ショート動画作成ツール以外での、プレビューの追加アップロードを許可するために、参照コンテンツの一致量の条件を追加することをおすすめします。たとえば、他のプラットフォームでもプレビューを提供し、YouTube への同時投稿を許可する場合は、この条件を指定して、そのプレビューまでの使用を許可する必要があります。それ以外の場合、これらの使用がブロックされることがあります。
- ユーザーが追加できる音楽の長さに上限が設けられている場合があります。YouTube との契約に基づいて許可される音楽の使用時間を確認するには、YouTube ショートに関する修正条項を参照するか、YouTube サポートの担当者にお問い合わせください。
YouTube ショートのプレビュー ポリシーの例
シナリオの例
今後のリリース日が決まっている曲について、30 秒の曲のプレビューをユーザーがショート動画でサンプリングできるようにしたい場合。
ポリシーの設定方法:
- Studio コンテンツ マネージャにログインします。
- 左側のメニューから [ポリシー]
を選択します。
- [新しいポリシーを追加]
[YouTube ショートのプレビュー ポリシーを追加] をクリックします。
- [ポリシー名] と [ポリシーの説明] を入力します。
- ポリシー名の例:「YouTube ショート用プレビュー - 30 秒」
- ポリシーの説明の例:「YouTube ショートで最大 30 秒プレビューできます」
- [参照コンテンツの一致量] の横に「00:30」と入力します。
- [保存] をクリックします。
- 左側のメニューで [アセット]
を選択します。
- 関連するサウンド レコーディング アセットを見つけ、アセットのタイトルをクリックして [アセットの詳細] ページを開きます。
- 左側のメニューで [所有権とポリシー]
を選択します。
- [一致ポリシー] タブ
[アセットの一致ポリシーを編集] をクリックします。
- 上記の手順 1~6 で作成したショート動画のプレビュー ポリシーを検索し、リストからポリシーを選択します。
- [カスタム ポリシーを設定] をクリックします。
- [スケジュール設定されたポリシーを追加] をクリックし、希望する一致ポリシーを選択します。
- 本編トラックのリリース日を入力します。
- [条件を追加]
[視聴者の現在地] をクリックします。
- [視聴者の現在地] の条件を追加しないと、スケジュール設定されたポリシーが適切に適用されない場合があります。たとえば、すべての地域の本編トラックのコンテンツを使用してユーザーの動画から収益を得るには、[視聴者の現在地] の条件を [全世界] に設定し、一致ポリシーを [収益化] に設定します。
- [保存] をクリックして、ポリシーを保存します。
- [適用] をクリックして、更新された一致ポリシーをアセットに適用します。
上記の手順 6 が完了したら、こちらの手順に沿って DDEX を使用してポリシーのスケジュールを設定することもできます。
ポリシーに [参照コンテンツの一致量] の条件があり、ユーザーが他のプラットフォームで楽曲の一部にアクセスできる場合、このポリシーによって、他のプラットフォームから、対応する楽曲の該当部分を使用したアップロードが許可されることがあります。たとえば、上記のポリシーの例を使用して、次のシナリオが発生する可能性もあります。
- レーベルが YouTube に、曲のコーラスをショート動画のプレビューとして 30 秒間提供したが、同じ曲の他の部分もプレビューできるようになっている。
- ユーザーが、ショート動画の作成ツール以外で、楽曲を利用した動画を作成し、アップロードしている。
- 楽曲の使用時間が 30 秒を超えない場合、動画の表示が許可される。
他のプラットフォームからの曲の使用を制限するには、YouTube ショートのプレビュー ポリシーを作成するときに、参照コンテンツの一致量の条件を削除します。
ショート プレビューに関するよくある質問
1 つの曲に複数のショート プレビューを配信できますか?
現時点では、1 つの曲に対する複数のショート プレビューはサポートしていません。
ショート プレビューの公開要件はありますか?
本編リリースの場合と同様に、音楽配信者と連携して、楽曲権利保有率を楽曲のサウンド レコーディング アセットに埋め込む必要があります。詳細については、埋め込まれた関係の削除または追加をご覧ください。
アーティストがプレビューを使用してショート動画を作成するには、どうすればよいですか?
アーティストは、プレビュー版がリリースされた後に、YouTube ショートの音楽ライブラリからプレビュー トラックを探して使用できます。パートナーは、プレビュー配信後に生成されたアートトラック動画リンクをアーティストと共有することもできます。
モバイル デバイスで視聴する場合、プレビューが開始されると [作成] オプションが表示されます。そこから、音声を使用してショート動画を作成できます。
ショート プレビューを許可するためには、参照コンテンツの一致時間をどのように設定すればよいですか?
本編の楽曲をリリース日にリミックスできるようにするには、一致ポリシーで 16 秒以下の使用をブロックしないよう参照コンテンツの一致量の条件を設定する必要があります。つまり、参照コンテンツの一致時間は 16 秒を超える値に設定する必要があります。
ショート動画のプレビューに推奨される長さはありますか?
現時点では、公式の推奨時間はありませんが、次の点に注意してください。
- ショート動画の長さは最大 60 秒です。
- プレビューで、本編トラックへの関心を促す方法を検討しましょう。
ショート動画のプレビュー配信後、リリース日を確認するにはどうすればよいですか?
プレビューや本編のアートトラックを配信した後、Studio コンテンツ マネージャを使用して、指定したリリース日を確認できます。
- Studio コンテンツ マネージャにログインします。
- 左側のメニューで [アセット]
を選択します。
- [アートトラック] タブをクリックします。
- 目的のアートトラックを探します。
- フィルタバー
[ISRC] または [動画 ID] をクリックすると、動画をより簡単に見つけることができます。
- フィルタバー
- トラックのタイトルをクリックします。
- 左側のメニューで [配信開始日]
を選択します。
CSV ファイルを使ってショート動画のプレビューを配信できますか?
いいえ、現在のところ、ショート動画のプレビューの配信は DDEX を使用する場合のみに対応しています。