概要
価格テストを利用して A/B テストを実施することで、世界各地のさまざまな市場の購買力に合わせ、アプリの価格設定を自信を持って正確に行えます。また、価格テストを使用して主要な市場のコントロールを基準にさまざまな価格をテストし、収益を向上させることもできます。国や地域ごとにアプリ内アイテムの価格を最適化することで、アプリに最も適した価格戦略を適用して収益を向上させ続けることができるだけでなく、新規ユーザーを獲得することもできます。この機能はアプリ内アイテムの価格と販売に関するものであるため、使用するには販売者側のデベロッパーである必要があります。
価格テストを準備して実施する
以下のセクションでは、価格テストの準備と実施、およびテスト結果の把握に関するガイダンスと重要な情報について説明します。
始める前に
Google Play Console で価格テストのセットアップを開始する前に、以下の各セクションを開いてご確認ください。
前提条件- テストに使用できるのは有効なアプリ内アイテムのみです。
- 価格テストを使用するには、ストアでの表示の管理権限と売上データの表示権限が必要です。
一般情報
- テストはアプリ単位でのみ行われます。複数のアプリをまとめてテストすることはできません。
- テストの最長実施期間は 6 か月です。6 か月を過ぎると元の価格に戻ります。また、統計的に有意な結果に達してから 14 日後にも元の価格に戻ります。
- 1 回のテストでテストできるアプリ内アイテムは最大 1,000 個です。
- 元のテストの終了から少なくとも 30 日間は、重複するアプリ内アイテムと重複する国を使って同じテストを実施することはできません。
- テストを一時停止することはできません。最後まで実施するか、完全に停止することしかできません。停止したテストは再開できません。
国 / 地域の制限
- 特定の国 / 地域で実施できるテストは一度に 1 つのみです。たとえば、ノルウェーですでにテストを実施している場合、最初のテストを停止して別のテストを作成しない限り、異なるアイテムで別のテストを実施することはできません。
- テスト対象の価格は、アプリ内購入の定められた価格帯内である必要があります。価格の値上げ率または値下げ率の値が、テスト対象の国 / 地域の定められた価格帯を上回るまたは下回ると、その値は上限値または下限値で自動的に停止します。
- テストごとに、最大 2 つの価格バリエーションと 1 つのコントロールを設定できます。
- テストは、選択した国 / 地域でのみ実施され、関連する地域別のオーバーライドでは実施されません。たとえば、フランスでテストを実施する場合、関連するフランス領(仏領ギアナ、仏領ポリネシア、グアドループ、マルティニーク、マヨット島、ニューカレドニア、レユニオン、サン バルテルミー島、サンマルタン島、サンピエール ミクロン、ウォリスフツナ)はテストから除外されます。
アプリ内アイテムの変更
- テストの実施中は対象のアプリ内アイテムの価格を変更できません。変更するには、テストを停止する必要があります。次の点に注意してください。
- 例外として、テストを 2 回実施し、最初のテストの結果を適用する場合は除きます。また、アプリ内アイテムが価格設定テンプレートにリンクされている場合は、テスト対象外の国でのみアプリ内アイテムの価格を変更できます。
- テストの実施中に新しいアプリ内アイテムを設定した場合、そのアイテムはテストに含まれません。
テストを実施して結果を適用する
- テスト価格はいつでも適用できますが、統計的に有意な結果が得られるまで待ち、コントロール グループよりもパフォーマンスが優れている価格変更のみを適用することをおすすめします。
- 現在実施中のテストに国 / 地域やアイテムを追加することはできません。
- 1 つ以上のアイテムが価格設定テンプレートにリンクされている場合、価格を適用すると、テスト対象の国 / 地域の価格が更新され、これらのアイテムとテンプレートのリンクが解除されます。
テストでは統計用語が多用されるため、これらの用語に詳しくない場合は、以下の用語集をご覧ください。
用語 | 定義 | 注 |
---|---|---|
信頼区間 |
結果が統計的に有意かどうかについての不確実性を表す値の範囲。 |
テスト結果の解釈に使う重要な値です。信頼区間がゼロをまたいでいなければ、統計的に有意であると判断されます。 最初の数日間は、データ量が少ないため表示されないことがあります。 |
信頼度 |
バリエーションとコントロールとの確認された差が真となる確率。 例: 信頼度 90% とは、確認された差が偶然である確率が 10% であるという意味です。言い換えれば、コントロールとバリエーションに差がないにもかかわらずテスト対象のデータが発生する確率は 10% に満たないことを表します。 |
|
コントロール | テスト群内の元のテスト バリエーション(元の価格設定のアプリ内購入を含みます)。 | コントロール価格は、セットアップ時に定義したテスト対象ユーザーの一部と、テスト対象外の全ユーザーに表示されます。 |
テスト結果 | テストの結果。 | 考えられるテスト結果セクションをご覧ください。 |
誤検出 | 負の事象が間違って正と分類されること。 |
コントロールとテストの費用差に統計的有意性があること(正)が検出されたが、実際にはコントロールとテストの費用差に統計的有意性はない場合(負)、誤検出と見なされます。 誤検出率は、誤検出の数と実際には負である事象の総数の比率です。 |
アプリ内アイテム |
ユーザーに対し 1 回限りの請求が行われるアイテム。 アプリ内アイテムとしては、Google Play のアプリ内における仮想アイテム(ゲームのレベルやポーションなど)、有料サービスがあります。 |
選択できるアプリ内アイテム数の上限は 2,000 個です。一般的に、データが多いほど、コントロールとバリエーションの差の検出にかかる時間は短くなります(差がある場合)。 多くのアイテムで価格変更をテストすると、カニバリゼーションが生じる可能性が低くなることがあります。 |
最小検出可能効果(MDE) |
テストで検出したい改善度を示す入力値。テストのセットアップ時に指定します。これは、テストに求める感度を指定する方法と考えることができ、統計的に有意な結果が得られるまでの推定時間に影響します。MDE を指定すると、選択したアイテムの過去のデータに基づいて、統計的に有意な結果を得るまでの推定所要時間が表示されます。 たとえば、MDE が小さいほど、テストの感度が高くなり、統計的に有意な結果を得るまでの推定所要時間が長くなります。 |
|
新奇性効果 | 新しい機能(新しいアイテムや価格など)が元の機能より優れていたり魅力的でなかったりしても、ユーザーが新しい機能を進んで試したり選好したりする現象。この場合、通常、増加率は徐々に下がります。 | すぐに終了するテストは、新奇性効果を受ける可能性があります。この影響を考慮するには、統計的に有意な結果を得るまでの推定時間(週数)をかけてテストすることをおすすめします。 |
統計的有意性 | A/B テストで、コントロールとバリエーションの差が実際のものか、偶然によるものかを判断する基準。 |
効果が確認され、その信頼区間に値としてゼロが含まれていない場合、統計的に有意な結果と判断されます。この場合の効果とは、コントロール(元の価格群)とバリエーションでの収益の差です。 信頼区画を図で示した例については、よくある質問をご覧ください。 |
バリエーション | テスト群の元のテスト変数のバリエーション。 | バリエーションは、元の価格設定のアプリ内購入の価格を値上げしたものまたは値下げしたもののいずれかです。 |
テストをセットアップする
テストをセットアップする際は、交換可能なすべてのアプリ内アイテム(ゲーム内通貨など)をテストに含めて、カニバリゼーションを制限することをおすすめします。
データ量が少ないと、データ不足のためテストから結論を導き出せない可能性があります。たとえば、新しいアイテムでテストを実施した場合、推定テスト期間や警告が正確ではない可能性があります。この場合、選択した期間内ではデータ量が非常に少ないと予想されるという警告が Google Play Console に表示されます。データ量が少ないというメッセージが表示された場合は、データ不足のためテストを実施できない可能性があります。また、テスト パラメータを微調整できることもあります。詳しくは、データ量が少ない場合のおすすめの対応をご覧ください。
逆に、テスト期間が長くなると、世界的な為替変動の推移など経済的要因が結果に影響する可能性があることを考慮することが重要です。
パート 1: 詳細を追加する
テストの詳細を追加する手順は次のとおりです。
- Google Play Console を開き、[価格テスト] ページ([Google Play で収益化する] > [価格テスト])に移動します。
- [テストを作成] をクリックします。
- [詳細を追加] で、テストの名前と簡単な説明(省略可)を入力します。
- 注: ここで入力するテストの名前と簡単な説明はユーザーには表示されません。
- テスト対象の国 / 地域を選択します。
- 重要: 価格テストは、選択した国 / 地域でのみ実施され、関連する地域では実施されません。たとえば、フランスを選択した場合、価格テストはフランスでのみ実施され、仏領ギアナなどの関連する地域では実施されません。
- [商品] プルダウンで、テスト対象のアプリ内アイテムを選択します。プルダウンには、選択可能なアプリ内アイテムの名前、ID、価格が表示されます。
- 重要: 価格設定テンプレートにリンクされているアプリ内アイテムを選択した場合、その価格設定テンプレートは価格テストの間、ロックされます。
- 開始日を選択します。テストの開始日時は、選択した日付の 00:00(太平洋時間)です。今後開始するテストのスケジュールを設定できます。
- [次へ] をクリックし、バリエーションを追加してテストのセットアップを続けます。
テストのセットアップ入力に基づいて、データ量が少なすぎて統計的に有意な結果を得られないと予測された場合は、警告が表示されます。この場合は、統計的に有意な結果を得るのに十分なデータを収集できるよう調整を加えることをおすすめします。次の手順については、データ量が少ない場合のおすすめの対応をご覧ください。
データ量が少ない場合のおすすめの対応テスト期間が短くなるよう、統計的に有意な結果を得るのに必要なデータ量を変更するには、以下の方法をおすすめします。
テストのセットアップ手順 |
おすすめの対応 |
---|---|
パート 1: 詳細を追加する | テストの対象の国 / 地域の数を増やします。 |
パート 1: 詳細を追加する | すべてのアプリ内アイテムをテストするか、アプリ内アイテムの数を増やします。 |
パート 2: バリエーションを追加する | バリエーションの数を 2 つから 1 つに減らします。 |
パート 2: バリエーションを追加する |
価格を大幅に下げて(値下げして)テストします。 注: 最初の予測には影響しませんが、実際のテスト中に役立ちます。 |
パート 3: 設定を管理する | バリエーションごとのユーザーのサイズを大きくします(対照群 50%、介入群 50% など)。 |
パート 3: 設定を管理する |
最小検出可能効果の値を上げます。 注: これは、バリエーションとコントロールのパフォーマンスが同じだったテストにのみ影響します。 |
パート 3: 設定を管理する | 信頼度を下げます。 |
パート 2: バリエーションを追加する
[バリエーションの追加] で、価格のバリエーションを追加、削除できます。価格テストには少なくとも 1 つのバリエーションが必要です。バリエーションを追加する手順は次のとおりです。
- プルダウンで [値上げ] または [値下げ] を選択し、適用する値上げ率または値下げ率を入力します。次の点に注意してください。
- 整数を入力する必要があります。
- [値下げ] を選択した場合は、1~99 の値を入力する必要があります。
- [値上げ] を選択した場合は、1~999 の値を入力する必要があります。
- バリエーションを追加すると、コントロールの価格帯とバリエーションの価格帯がページに表示されます。[アイテムの価格を表示] をクリックすると、アイテムの名前や ID、地域別のオーバーライド(該当する場合)、税務情報などの詳細が表示されます。ここで、為替レートと国ごとの価格の付け方を使用した後の実際の価格変更率を確認できます。
- テストに複数のバリエーションを含める場合は、[+ 別のバリアントを追加] をクリックして、上記の手順を繰り返します。コントロールの価格帯とバリエーションの価格帯もページに表示されます。
- [次へ] をクリックして、テスト設定を微調整してテストのセットアップを続けます。
パート 3: 設定を管理する
[設定を管理] で、ターゲット設定パラメータを設定してテストを微調整できます。テストの設定を管理する手順は次のとおりです。
- テスト対象ユーザーの値を入力します。これは、テストに参加するユーザーの割合です。テスト対象ユーザーは、バリエーションとコントロールに均等に振り分けられます。元の価格やコントロールの価格は、テスト対象外のユーザーも確認できますが、テスト対象外のユーザーはテストの分析に含まれません。
- 注: 1~100 の整数を入力する必要があります。
- 信頼度の値を入力します。信頼度を下げると、誤検出の確率は高くなりますが、テストの実行時間は短くなります。
- 最小検出可能効果の値を入力します。テストで検出したい改善度を示します。これは、テストに求める感度を指定する方法と考えることができます。これにより、統計的に有意な結果を得るまでの推定所要時間が調整されます。
- ターゲット設定パラメータを絞り込んでテストを微調整します。セットアップに基づくガイドラインとして、統計的に有意な結果を得るまでの推定所要時間を確認できます。
パート 4: テストを開始する
テストを開始できるようになりました。テスト中は、選択したアプリ内アイテムと国 / 地域の価格が変更されます。テストはいつでも終了できます。
- テストを開始する前に、以下の点を理解していることをご確認ください。
- テストはアプリの収益に影響する可能性があります。統計的に有意な結果を得られなければ、収益の結果がマイナスであってもプラスであっても意味を持たない可能性があるため、統計的に有意な結果が得られるまで待つことをおすすめします。
- テストの実施中は、選択したアプリ内アイテムの価格を編集できません。
- テストの結果を適用すると、含まれるすべての国 / 地域とアプリ内アイテムに影響します。
- [確認して開始] をクリックします。
テストを終了する(省略可)
テストはいつでも終了できます。
- Google Play Console を開き、[価格テスト] ページ([Google Play で収益化する] > [価格テスト])に移動します。
- 終了するテストを開きます。
- [テストを終了] をクリックします。
テストを終了すると、テスト価格は、関連する国 / 地域とアプリ内アイテムの元の価格に戻ります。テストと分析は無効になります。
スケジュール済みの今後のテストを、上記の手順でキャンセルすることもできます。スケジュールした開始日の 24 時間以内にキャンセルしたテストは、一時的に実施されることがあります。
テスト結果を表示してバリエーションを適用する
考えられるさまざまなテスト結果と、それがアプリやアプリの価格戦略に与える影響を理解しておくことが重要です。結果を適用する前に、このセクションをよくお読みください。
テスト結果を表示して分析する
テスト結果が統計的に有意であると見なされると、テスト結果の分析ページに表示されます。また、受信トレイのメッセージでも通知されます。
結果を表示する
テストにアクセスして結果と分析を表示します。[価格テスト] ページ([Google Play で収益化する] > [価格テスト])に移動し、テストの横にある右矢印をクリックすると、テストの分析ページが表示されます。
テスト結果はページの上部に表示されます。考えられるテスト結果を開くと、さまざまな結果とその意味が表示されます。テスト結果の下に、結果の簡単な説明が表示されます。たとえば、「バリエーション [X] のパフォーマンスが最高」と表示され、その下に「バリエーション [X] の収益が最高」というテスト結果の簡単な説明が表示されます。バリエーションのパフォーマンスがコントロールと一致したかコントロールを上回った場合は、[バリエーション [X] を適用] をクリックしてそのバリエーションを適用し、それに応じてアプリ内アイテムの価格を更新することができます。詳しくは、バリエーションを適用するをご覧ください。
注: テストは結果の確定から 14 日後に自動的に終了します。また、[テストを終了] をクリックしてすぐにテストを終了することもできます。
補足データを表示する
結果の下に、統計的に有意な結果のベースとなるデータが表形式で表示されます。この表には、バリエーション、収益、収益とコントロールの情報(および収益とコントロールの比率)、バリエーションの信頼区間が表示されます。テストの分析ページに表示されているさまざまな指標について詳しくは、指標の定義をご覧ください。
表の下の [補足データ] で、より詳細なデータを確認できます。グラフには、デフォルトとして最新の日付の収益とコントロールの情報が表示されます。このグラフの網掛けのある部分は信頼区間を表します。このグラフから、信頼区間の推移を確認できます。選択されている期間と日付は、グラフの右上にある期間フィルタと日付フィルタを使用して調整できます。
グラフの左上にある指標フィルタを使用して、収益、注文数、購入者数、購入者率、ARPPU の指標も表示できます(これらの指標については、指標の定義でも説明しています)。別の指標を選択すると、信頼区間は収益に基づくため、グラフに信頼区間は表示されません。
アイテム単位の詳細を表示するため、テスト結果を CSV ファイルとしてエクスポートすることもできます。指標の定義(CSV エクスポート)を開くと、CSV エクスポートの項目、形式、例が表示されます。
バリエーションを適用する
バリエーションを適用する前に、次の点にご注意ください。
- 1 つ以上のアプリ内アイテムが価格設定テンプレートにリンクされている場合、バリエーションを適用すると、テスト対象の国 / 地域の価格が更新され、これらのアプリ内アイテムとテンプレートのリンクが解除されます。
- バリエーションを適用できるのは、テストに含まれるすべてのアプリ内アイテムと国 / 地域のみです。統計的に有意な結果の算出はセットアップ全体に基づくため、セットアップした国 / 地域やアプリ内アイテムの一部のみに適用しても、同じ結果と効果が出ることは保証されません。
バリエーションがコントロールと一致したか、コントロールを上回った場合は、以下のようにバリエーションを適用して価格を更新できます。
- Google Play Console を開き、[価格テスト] ページ([Google Play で収益化する] > [価格テスト])に移動します。
- 適用するバリエーションの横にある [バリエーションを適用] をクリックします。
アプリの価格設定は、バリエーションでの設定に沿って更新されます。テストは結果の確定から 14 日後に自動的に終了します。また、[テストを終了] をクリックしてすぐに終了することもできます。
考えられるテスト結果テストではさまざまな結果が出る可能性があります。テストが終了したらその結果を確認して、次のステップに活かすことができます。
テスト結果 | 意味 | 注意事項 / 推奨事項 |
---|---|---|
バリエーション [X] のパフォーマンスが最高 | バリエーション [X] の収益の増加幅が最も大きく、それが統計的に有意な結果となった場合です。 | コントロールと他のバリエーションを上回る結果を出しているため、バリエーション [X] を適用します。 |
どちらのバリエーションのパフォーマンスもコントロールより優れていた | どちらのバリエーションもコントロールより収益が高くなりました。結果を確認し、どちらのバリエーションを適用するか判断してください。 | どちらのバリエーションを適用するか判断してください。 |
バリエーションとコントロールのパフォーマンスに差がない | コントロールより収益が高いバリエーションはありませんでした。 | テストで十分な量のデータが収集され、バリエーションとコントロールで同じ結果になりました。 |
コントロールのパフォーマンスが最高 | どちらのバリエーションよりもコントロールの収益が高くなりました。 | この場合は、テスト対象となった国やアイテムに関しては、現在の価格が最適であるということが示唆されます。テスト対象のアイテムと国では、引き続きコントロールの価格を使用します。 |
追加データが必要 | テストは進行中です。統計的に有意な結果を得るには、より多くのデータが必要です。 | 次の手順については、データ量が少ない場合のおすすめの対応をご覧ください。 |
統計的に有意な結果が得られなかった | テストが途中で停止されたか、6 か月の最長テスト期間に達しました。統計的に有意な結果を得るには、より多くのデータが必要です。設定を変えて新しいテストを実施してみてください。 | 次の手順については、データ量が少ない場合のおすすめの対応をご覧ください。この結果は、購入者がテスト対象の国 / 地域でアプリ内アイテムの価格に無関心であることを示している可能性があります。 |
以下の表に、テストの分析ページにある指標を示します。
指標 | 定義 |
---|---|
すべてのアイテムの収益 | 指定期間におけるテスト対象のアプリ内アイテムとテスト対象外のアプリ内アイテムを購入したテスト対象ユーザーからの総収益。 |
有料ユーザーごとの平均収益(ARPPU) | 指定されたテスト期間におけるアプリ内アイテムの合計総収益をユニーク購入者(テスト対象内およびテスト対象外のアプリ内アイテムを少なくとも 1 回購入したユーザー)の数で除算した値。この指標により、購入者がどれくらいの価値をもたらしているかを把握することができます。 |
購入者率(28 日間) |
テスト中に、テスト対象外のアプリ内アイテムを含め、アプリ内アイテムを少なくとも 1 回購入した 1 か月のアクティブ ユーザーの割合(%)。 注: これは、購入者のコンバージョンを把握し、有料ユーザーベースを拡大するうえで重要な指標です。 |
購入者数 | 指定期間において少なくとも 1 つのアプリ内アイテムを、算出されたテスト対象価格で購入したユニーク ユーザーの数。 |
新たにインストールしたユーザーによる収益 | テスト開始日以降にいずれかのデバイスに初めてアプリをインストールし、テスト対象価格を初めて見たユーザーからの総収益。なお、ユーザーによっては、このデータの Google との共有をオプトアウトしていることがありますのでご注意ください。 |
注文数 | 指定期間でのテスト中に行われたテスト対象のアプリ内アイテムの購入数。 |
収益 | アプリ内アイテムをテストで購入したテスト対象ユーザーからの総収益(指定期間内で得られたもの)。 |
以下の表に、CSV ファイルとしてエクスポートされる指標定義の項目、形式、例を示します。
項目 |
形式 | 例と注意事項 |
---|---|---|
日付 | 文字列 |
PDT タイムゾーンでの注文の日付(MMM DD, YYYY 形式)。 |
SKU ID | 文字列 |
アプリ内アイテムのデベロッパー指定の一意の ID。 |
アイテムのタイトル | 文字列 |
アプリ内アイテムのデベロッパー指定の名前。 |
国 | 文字列 |
関連するアプリ内アイテムの指標に対する一意の国コード。 |
テスト群 | 文字列 |
関連するアプリ内アイテムの指標に対するテスト群。 |
デベロッパーの通貨 |
文字列 |
注文を換算した通貨。支払いに使用される現地通貨です。 |
収益 | 数字 |
指定したアプリ内アイテムの合計総収益(日付、国、テスト群に基づく)。 |
新たにインストールしたユーザーによる収益 | 数字 |
テスト開始日以降にいずれかのデバイスに初めてアプリをインストールし、テスト対象価格を初めて見たユーザーからの総収益(指定のアプリ内アイテム、日付、国、テスト群に基づく)。なお、ユーザーによっては、このデータの Google との共有をオプトアウトしていることがありますのでご注意ください。 |
注文数 | 数字 |
指定のアプリ内アイテムの合計注文数(日付、国、テスト群に基づく)。 |
購入者数 | 数字 |
指定アイテムの合計購入者数(日付、国、テスト群に基づく)。購入者とは、テスト中に特定のアプリ内アイテムを購入したユーザーです。 |
よくある質問
テストを実施できる国 / 地域を教えてください。価格テストを実施できるのは、以下の条件を満たす国 / 地域のみです。
- すでにリリースが展開されている(内部テストトラックを含む)。
- 現地通貨に対応している。
データ量が非常に少ないと、データが表示されません。また、テストの分析ページにデータが表示されるまで、最長で 7 日の遅延が生じることがあります。
はい。なお、価格設定テンプレートにリンクされたアプリ内アイテムを使用してテストを実施した場合、テスト期間中、テスト対象の国 / 地域の価格はロックされます。ただし、その他の国 / 地域の価格は変更できます。
テストの終了後に新しい価格を適用すると、テスト対象のすべてのアプリ内アイテムと、関連付けられている価格設定テンプレートのリンクは解除されます。価格設定テンプレートは変更されません。アプリ内アイテムと価格設定テンプレートのリンクを解除せずにテスト結果を適用する場合は、[価格設定テンプレート] ページ([設定] > [価格設定テンプレート])に移動し、価格を更新します。
詳しくは、価格設定テンプレートについての説明をご覧ください。
いいえ。テスト価格は、国 / 地域ごとに定められている最低価格と最高価格の範囲内の金額に設定する必要があります。テストを設定する際に入力した価格変更が下限または上限のいずれかに達していた場合は、自動的に最低価格または最高価格と見なされます。国ごとに許可されている価格帯と通貨の一覧については、Google Play ユーザーへの配布がサポートされている国や地域をご覧ください。
いいえ。Google Play の課金システムのいずれかのバージョンを使用していれば、価格テストを実施できます。
テスト対象アイテムの注文はすべて、ダウンロード可能な月次売上レポート(予想販売レポートと収益レポート)に表示されます。テスト対象のアプリ内アイテムが、価格テストを実施している国 / 地域でコントロールとバリエーションのどちらの価格で購入されたかを確認できます。
有意な結果が得られるよう、A/B テストは同時に実行しないことをおすすめします。たとえば、Firebase は Google Play Console の価格テストとは別に動作するため、特定のアプリ内アイテムとの干渉が生じると、テスト結果の信頼性に影響することがあります。
ジャックナイフ(リサンプリングによって変化を推定できる統計ツール)を使用して信頼区間を計算してから、混合逐次確率比検定を適用して、連続モニタリングによって誤検出率の増大を制御します。信頼区間がゼロをまたいでいなければ、統計的に有意であると判断されます。
価格テストを使用するには、ストアでの表示の管理権限と売上データの表示権限が必要です。
テストは、統計的に有意な結果に達してから 14 日後、または最長テスト期間の 6 か月を過ぎると、自動的に停止します。Google は、テストのセットアップ時に判断された推定期間中はテストを停止しません。統計的に有意な差が検出されたら停止しますが、14 日間は新しい価格を適用し、その後、元の価格に戻します。
いいえ、それはありません。テスト期間中、1 人のユーザーに表示される価格は 1 つのみです。
いいえ。最初に選択したパラメータで結果の収集がすでに開始されているため、追加することはできません。別の国 / 地域を選択した 2 つ目のテストを並行して実施するか、現在のテストを終了して新しいテストをセットアップしてください。なお、アプリ内アイテムや国 / 地域に重複がある場合は、新しいテストをセットアップするまで 30 日間待つ必要があります。
統計的有意性は、国 / 地域とテスト対象アイテムの組み合わせごとに別個に計算されるのではなく、すべての国 / 地域とテスト対象アイテムをまとめた状態で計算されます。特定の国 / 地域での価格調整が目的の場合は、テストのセットアップ時にその国 / 地域のみを選択することをおすすめします。
はい。価格が元の価格に戻された後もバリエーションを適用できます。
テスト対象のアプリ内アイテムでコントロールと大幅に異なる収益が出ないか、データ量が不足していると、統計的に有意な結果が得られなかったと見なされます。この場合は、購入者が 2 つの価格に無関心であることが考えられます。
一般に、サンプルサイズが大きいほどテストの効果は高くなります。テストする 1 つのアプリ内アイテムが、購入者数の多い人気アイテムのうちの 1 つであれば、そのアプリ内アイテムのみをテストするだけで十分に価値がある可能性がありますが、それ以外の場合は、複数のアプリ内アイテムをまとめてテストしてテストの効果を高めることをおすすめします。
ある程度交換可能なアプリ内アイテムが複数ある場合は(USD 0.99 がアプリ内通貨単位 60 に相当し、USD 4.99 がアプリ内通貨単位 300 に相当する場合など)、カニバリゼーションを回避するため両方のアプリ内アイテムを一緒にテストすることをおすすめします。
一般的に 1 つのバリエーションのテストをおすすめします。元の価格のアプリ内アイテムをコントロールとして使用し、割引価格のアプリ内アイテムをバリエーションとして使用します。2 つのバリエーションでテストする場合は、コントロールとして使用する元の価格のアプリ内アイテムのほかに、同じアプリ内アイテムを 2 つの異なる価格で提供することになります。このようなテストの結果は解釈が難しく、1 つのバリエーションでのテストに比べ、統計的に有意な結果に達するまでに時間がかかります。
効果が確認され、その信頼区間に値としてゼロが含まれていない場合、統計的に有意な結果と判断されます。この場合の効果とは、コントロール(元の価格群)とバリエーションでの収益の差です。
以下は、統計的に有利なプラスの結果が得られると思われる信頼区間の例です。
以下は、統計的に有利なマイナスの結果が得られると思われる信頼区間の例です。
以下は、統計的に有利な結果が得られないと思われ、より多くのデータ量を必要とする信頼区間の例です。
はい。ユーザー位置情報のなりすましを継続的に監視し、デベロッパーとそのアイテムへの影響を軽減するための対策を講じています。
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