リフトが検出されると、次の「検索数の増加」の測定指標にアクセスできるようになります。
- 相対的リフト
- 正規化されたインプレッションあたりの検索数の増分
- 費用あたりの正規化された増加検索数
検索数の増加分析は 28 日間実施されますが、測定した広告掲載オーダーのインプレッション数によっては、検索数の増加の測定結果を早く取得できる可能性があります。発生するインプレッションが多いほど、結果を早く得られ、統計的に有意な正のリフト結果を測定できる可能性が高くなります。「検索数の増加」の結果は、最小インプレッション数と最小検索ボリュームを要件とするプライバシー基準を調査が満たしている場合にのみ表示されます。予算の最適化案と検索語句の最適化案を適用することで、プライバシー基準を満たす可能性が高くなります。
進行状況 |
ディスプレイ&ビデオ 360 に表示される内容 |
プライバシーの最低基準を下回っている |
「データ不足」 |
プライバシーの最低基準を超えている |
統計的有意性がある場合(リフトがプラスの場合)は報告されます。そうでない場合は、「ブランドリフトの検出なし」と表示されます。 |
ステータス
「X% の相対的リフト」
「X% の相対的リフト」は、信頼度の高いリフトを検出するのに十分なデータが収集されたことを示します。たとえば、相対的リフトが 25% 上昇した場合、広告を見たユーザーがお客様のブランドまたは商品を検索する可能性が 25% 高くなることを示します。
「データ不足」
「データ不足」とは、選択した期間での広告表示回数や検索数が、結果を表示するために必要な最小基準値を下回っていることを意味します。
「データ不足」のトラブルシューティング
調査または個別のスライスに必要なデータが十分に得られないことには、さまざまな理由が考えられます。この問題を解決するには、測定が終わるまで待ち、予算を使い切るようにしてください。キャンペーンで使った費用が予算を下回っていると、「データ不足」につながることがよくあります。しかし、十分な費用を使ったのに「検索数の増加」測定の結果が得られない場合は、次の点を確認してください。
入札単価が低すぎないか
トラフィックが少ない場合、入札単価が競り負けている可能性があります。入札単価を引き上げて、さらに多くのインプレッションを獲得し、トラフィックを増やしましょう。ただし、入札単価を引き上げると、予算を使うペースが速くなります。
キャンペーンのターゲティングの範囲が狭すぎないか
調査とキャンペーンを以下のような構成で設定すると、調査で収集できるインプレッション数が減少する場合があります。インプレッション数の収集がどの程度遅くなるかは、ターゲティング リーチをどの程度絞り込んでいるによって異なります。
オーディエンス(特にリターゲティング)、プレースメント、キーワード、トピック
プレースメント、キーワード、リターゲティングなど、より制限の厳しいターゲット タイプでは、有効な視聴者数が減少し、インプレッション数が減少してしまう可能性があります。インプレッション数と視聴者数が少なければ、ユーザーが検索語句を検索する可能性も低くなります。
対象地域が小さすぎないか
対象地域が小さすぎるとユニーク視聴者数が減り、十分なインプレッションが得られる可能性が低くなることがあります。調査は国単位で実施するのが理想的ですが、より小さな地域でも人数が十分ならばターゲットに設定できます。
推奨: 調査の進行中にトラフィックを注意深くモニタリングしてください。予算を完全に使い切れない場合は、対象地域を広げるか、プレースメントやキーワードなど、制限があまりにも厳しいターゲティング タイプを削除して、ターゲティングの範囲を広げてください。適切な検索語句を選択しているか
検索語句の選択は、検索数の増加分析の設定で重要な部分で、検索語句の選択が不適切な場合、測定が失敗する一般的な原因となります。目標は、広告キャンペーンに関連する検索をキャプチャし、無関係なクエリは除外することです。そのため、商品、ブランド、広告キャンペーンに関連する、具体的で焦点を絞った検索語句を優先することをおすすめします。これらのキーワードは、部分一致の検索語句よりも高い成果を上げる傾向があります。ただし、あまりに具体的すぎる検索語句を選択すると、検索結果の表示に必要な最小限の検索数に達しない場合があります。その場合は、次回は一般的なキーワードを試します。ただし、範囲を広げすぎないように注意してください。「リフトの検出なし」と表示されるおそれがあります。
検索語句の選択方法について詳しくは、「検索数の増加」測定のセットアップをご覧になるか、アカウント担当者にお問い合わせください。
「ブランドリフトの検出なし」
十分なインプレッション数がある調査でも「リフトの検出なし」と表示されることがあります。まず、測定の結果は時間の経過とともに向上していきますので、調査が終わるまで待ってから結果を確認することをおすすめします。調査終了までにリフトが見られなかった場合、動画広告を視聴したユーザーとしなかったユーザーの検索行動に統計的有意差が見られなかったことを意味します。調査レベルでリフトが見られない場合は、特定のセグメント(検索語句、年齢、性別、キャンペーン、デバイスなど)でリフトが見られるかどうかを確認し、プラスのリフトが見られるセグメントに注力するとよいでしょう。
どのメディア チャネルにでもあるように、一部の指標は他の指標より変動があまりありません。一部のオーディエンスは他のオーディエンスよりもリーチが難しい場合があります。調査で特定の指標やオーディエンスにリフトがないことは通常です。
また、セットアップを改善して再テストすることもご検討ください。再テストはスライスレベルの結果を確認するのにも役立ちますが、有利な結果だけが選択され、信頼性が低下する可能性があります。
「検索数の増加」測定の指標
指標:
- 相対的リフト
- インプレッションあたりの検索数の増分(指数)
- 費用あたりの検索数の増分(指数)
- 検索プロパティでスライスした場合の検索数の増分(指数)
- 検索語句でスライスした場合の検索数の増分(指数)
- 信頼区間
相対的リフト
相対的リフトでは、広告に起因する検索ボリュームの増加率を確認できます。計算式は(検索数の絶対的な増分)÷(ベースラインの検索数)です。たとえば、相対的リフトの値が 50% の場合、キャンペーンが表示されたユーザーは、表示されなかったユーザーよりも、お客様の商品またはブランドを検索する可能性が 50% 高いことを意味します。
インプレッションあたりの検索数の増分(指数)
インプレッションあたりの検索数の増分(指数)は、特定のスライス(年齢層や性別など)からのインプレッションが、検索数の増加において調査の平均値を上回ったか下回ったかを示します。これは、特定のスライスの効果性を示します。インプレッションあたりの検索数の増分(指数)が 1 より大きい場合は、平均を上回っています。インプレッションあたりの検索数の増分(指数)が 1 より小さい場合は、平均を下回っています*。
例
キャンペーン A = 1.44
キャンペーン B = 0.72
合計 = 1
解釈
1 回のインプレッションあたりのユーザーの検索傾向の増加において、キャンペーン A とキャンペーン B を合わせた結果(全体的な結果)よりもキャンペーン A の方が 1.44 倍高くなっています。
キャンペーン B は、インプレッションあたりの検索数の増分(指数)が全体的な結果を下回っているため、インプレッションあたりの検索行動の増加という点で、調査の平均と比較してパフォーマンスが劣っています。
費用あたりの検索数の増分(指数)
費用あたりの検索数の増分(指数)は、特定のスライス(年齢層や性別など)の広告費用が、検索の促進において調査の平均を上回ったか下回ったかを示します。これは、特定のスライスの費用対効果を示します。費用あたりの検索数の増分(指数)が 1 より大きい場合は、平均を上回っています。費用あたりの検索数の増分(指数)が 1 より小さい場合は、平均を下回っています*。
例
キャンペーン A = 1.05
キャンペーン B = 0.97
合計 = 1
解釈
キャンペーン A は、費用あたりのユーザーの検索傾向がキャンペーン A とキャンペーン B を合わせた(全体的な結果)よりも 1.05 倍高くなっています。
キャンペーン B は、費用あたりの検索行動の促進という点で、調査の平均と比較して、パフォーマンスが若干低くなっています。
検索プロパティでスライスした場合の検索数の増分(指数)
検索数の増分(指数)は、特定の検索語句の全体的なリフトに対する検索プロパティ(YouTube や Google 検索など)の貢献度を示します。特定のプロパティの効果性を示します。検索プロパティによる検索数の増分(指数)は、合計で 1 になると見込まれます。
例
Google.com = 0.55
YouTube.com = 0.45
解釈
選択した検索語句の合計検索数の増分の 55% が Google.com によるものです。
選択した検索語句の合計検索数の増分の 45% が YouTube.com によるものです。
検索語句でスライスした場合の検索数の増分(指数)
検索数の増分(指数)は、検索語句グループの全体的なリフトに対する、ある検索語句の貢献度を示します。特定の検索語句の効果性を示します。検索プロパティによる検索数の増分(指数)は、調査中のユーザーによる検索が複数の検索語句に適用される可能性があるため、合計が 1 を超える場合があります。たとえば、カメラと消しゴムマジックという機能に言及している Google Pixel の広告があるとします。「Google Pixel カメラ」という検索は、「Google Pixel」と「Pixel カメラ」の検索語句に適用されます。したがって、この両方の語句がこの検索の貢献度に割り当てられます。
例
Google Pixel = 0.91
Pixel カメラ = 0.55
消しゴムマジック = 0.22
解釈
「Google Pixel」は、この検索語句グループの合計検索数の増分の 91% を占めていました。
「Pixel カメラ」は、この検索語句グループの合計検索数の増分の 55% を占めていました。
「消しゴムマジック」は、この検索語句グループの合計検索数の増分の 22% を占めていました。
この結果から、この広告はブランド名「Google Pixel」の検索数の増加に最も貢献していたことがわかります。この広告は、強調されている 2 つの機能のうち、「消しゴムマジック」よりも「Pixel カメラ」の検索数の増加に貢献していました。
信頼区間
テストデータに基づいて、可能性が高いと思われるリフト測定指標の推定値の範囲が作成されます。これを信頼区間と呼びます。たとえば、相対的リフトが 35% と表示される場合、これはリフトの最適な推定値であり、点推定と呼ばれます。また、相対的リフトの信頼区間が 30% から 40% になる場合もあります。これは、相対的リフトが 30% から 40% の間にある可能性が高いことを意味します。リフト調査で収集されるデータが増えると、推定値の精度と信頼性が高まることを反映して、信頼区間が小さくなります。
トラブルシューティング
キャンペーンのセットアップ、クリエイティブ、ターゲティングを改善して、リフトを検出するチャンスを高めるための対策をいくつかご紹介します。
調査を正しくセットアップする
クリエイティブを改善する
リフトを得られるかどうかは、クリエイティブの品質に大きくかかっています。広告が効果的な YouTube クリエイティブの ABCD に沿って作成されているかどうかを確認します。クリエイティブの改善に関する詳細なガイダンスについては、アカウント マネージャーにお問い合わせください。
ブランドをあまり強調していない広告(ブランド名または商品名が表示されていなかったり、広告の後半に表示されていたり、あまりにも控えめだったりする)の場合、視聴者は宣伝されているブランドまたは商品にそのクリエイティブを関連付けません。この問題を修正するには、アイコン、透かし、バナーなどのブランディング要素を広告の早い段階で追加することをおすすめします。スクリプトを変更して、ブランドまたは商品をより明確にアピールすることもできます。
調査以外でクリエイティブの露出を制限する
検索数の増加分析が開始する前に視聴者がクリエイティブを見てしまった場合は、コントロール グループ(広告を見ていないグループ)が汚染され、リフトを得られない可能性があります。これにより、コントロール グループの反応と広告を見たユーザーの反応に違いがなくなり、「リフト」が低下します。クリエイティブの汚染を最小限に抑えるには次を行います。
- テストと同時に、YouTube 以外のチャンネル(テレビやその他の広告プラットフォームなど)で YouTube キャンペーンを実施しないようにしてください。
- 同様のクリエイティブを使用している他の動画キャンペーンは、リフト調査にも追加するのでないならば、実施しないでください。
- 調査をセットアップして有効にしてからキャンペーンを開始してください。