推定コンバージョンについて

Google はモデリングを使って、直接測定できないオンライン コンバージョンを推定します。モデリングを使用すると、(ユーザー プライバシーや技術的制約、デバイス間のユーザー遷移などの理由で)ユーザーを特定できなくても正確なコンバージョン アトリビューションが可能になります。推定コンバージョンを含めることで、より正確なレポートの提示や、広告キャンペーンの最適化、自動入札の精度向上を実現しています。

このページの内容


推定コンバージョンの仕組み

Google のモデルは、直接測定されたコンバージョンとそうでないコンバージョンとの間に見られる傾向を探します。たとえば、あるブラウザで関連付けのあるコンバージョンが、別のブラウザからの関連付けのないコンバージョンに類似している場合、機械学習モデルはすべてのコンバージョンを考慮してアトリビューションを予測します。この予測に基づき、推定コンバージョンと測定されたコンバージョンを合計した値が報告されます。


オンライン コンバージョンの推定のメリット

  • 広告トラフィック全体に及ぶ包括的な測定: 広告掲載の成果(費用対効果)を正確に把握し、コンバージョン経路(広告のインタラクションに始まり、さまざまなデバイスやチャネルを経由する)の全体像をつかむことができます。
  • キャンペーンの効率的な最適化: 推定コンバージョンにより、キャンペーンをより効果的に最適化し、ビジネスの成果向上を実現できます。
    • プライバシーに関する規則や技術上の制約のため、特定のユーザー(同意のないユーザー、特定のデバイスやブラウザを使用しているユーザーなど)で構成されるコホートについては、データを測定できないという事態が生じます。これはつまり、自動入札のアルゴリズムは不完全なデータに基づいて最適化を行わなければならず、機械学習の内容にもバイアスが生じるということを意味します。結果として自動入札では、目立った掲載結果が報告されないコホートの優先順位が低くなり、入札の質が全体的に低下する場合があります。モデリングはこうした問題を解決し、測定データのバイアスを補正するので、自動入札でも、より現実に即したパフォーマンス データを活用できるようになります。検索広告 360 リニューアル版の自動入札機能についての詳細

Google のコンバージョン モデリング手法

現在実施されているコンバージョン モデリング関連のアプローチの中で特に重要なものをいくつかご紹介します。

精度の検証と変更の通知

Google のモデルは、ホールドバック検証(機械学習のベスト プラクティス)によってその精度が維持されています。測定されたコンバージョン(検証データ)の一部は保留、分割されます。次に、モデリングを行った検証データと、そうでない検証データが比較されます。検証結果は、精度のチェックとモデルのさらなる調整に使用されます。

厳格なレポート基準の維持

推定コンバージョンがレポートに含められるのは、品質に高い信頼性がある場合のみです。モデルに情報を提供するのに十分な量のトラフィックがない場合、推定コンバージョンは広告インタラクションに関連付けられません(Google アナリティクスの場合、これらは「ノーリファラー」チャネルに関連付けられます)。Google はこの手法によって、過剰な予測を避けながら、測定できない部分のデータを補います。

ビジネスに合わせてカスタマイズ

Google のモデリングの汎用アルゴリズムを個別にデータに適用することで、ビジネスやユーザー固有の行動が反映されるようにしています。

ユーザー個人の特定を排除

Google は、フィンガープリントなどユーザー個人の特定を試みる行為を許可していません。その代わりに Google では、過去のコンバージョン率、デバイスの種類、時間帯、地域などのデータを集計して、特定の広告インタラクションからコンバージョンが発生する見込みを予測します。


オンライン コンバージョンで利用できるモデリングの例

現在実施されているコンバージョン モデリング関連の取り組みの中で特に重要なものをいくつかご紹介します。

サードパーティの Cookie の制限に対応するモデリング

一部のブラウザ(Safari や Firefox など)では、サードパーティの Cookie を使用するコンバージョン測定は許可されていません。サードパーティの Cookie によりコンバージョンが測定されている場合、これらのブラウザ(パソコンとモバイルの両方)ではウェブサイトのトラフィックがコンバージョン モデリングの対象となります。

ファーストパーティの Cookie の制限に対応するモデリング

一部のブラウザ(Safari など)では、ファーストパーティの Cookie を使用できる期間が制限されています。期間を過ぎたため確認できないコンバージョンについては、コンバージョン モデリングが実施されます。

EU での Cookie の使用に対する同意制限に対応するモデリング

一部の国では規制により、広告主様は広告活動に関連する Cookie の使用について同意を得るよう定められています。同意モードを採用した広告主様については、同意のないユーザーがコンバージョン モデリングの対象となります。コンバージョンは、同意のないユーザー向けにモデリングされます。

iOS 14 の影響

Apple の App Tracking Transparency(ATT)ポリシーでは、広告目的で他社のアプリやウェブサイトの特定の情報を使用する際にユーザーの許可を求めることがデベロッパーに義務づけられます。Google では、ATT ポリシーの対象となる情報(IDFA など)は使用しません。対応策として、ATT の影響を受けるトラフィック上の広告から発生するコンバージョンはモデリングの対象となります。最適なモデリングを実施するため、お客様のウェブサイトで任意の URL パラメータが許可されることを確認してください。

Apple の ATT ポリシーの施行に合わせて、Apple のアプリ アトリビューション ソリューションである SKAdNetwork は、iOS キャンペーンのパフォーマンスを評価するうえで重要な役割を果たします。Google 広告の管理画面のレポートの品質と一貫性を向上させるために、Google では SKAdNetwork との統合を強化しています。

Google Play ポリシーへの影響

Google Play は、ユーザーの制御、プライバシー、セキュリティを強化するためのポリシーの更新を新たに発表しました。2021 年後半に予定されている Google Play 開発者サービスの更新では、ユーザーが広告 ID を使ったカスタマイズを Android 設定でオプトアウトすると、その広告 ID が削除されるようになります。削除された広告 ID にアクセスしようとすると、ID の代わりにゼロの文字列が返されます。広告 ID の詳細

このサービスの更新に伴い、推定コンバージョンの対象がすべてのアプリ キャンペーンに拡大されます。つまり、[コンバージョン] 列に加え、[インストール]、[アプリ内コンバージョン]、[コンバージョン値] の各列に、推定コンバージョンが含まれる可能性があります。また、今回のサービスの更新や、今後想定されるサービスの更新による影響を軽減する手段として、アプリ キャンペーンの推定コンバージョンがさらに追加される可能性があります。

クロスデバイス コンバージョン

あるデバイスで広告を操作してカスタマー ジャーニーを開始したユーザーが別のデバイスでコンバージョンを達成した場合、そのコンバージョンへの貢献度は割り当てられないことがあります。そこで Google は、Google サービスにログインしている膨大なユーザーのデータをモニタリングし、一般的なユーザーの類似行動を推定しています。多くのクロスデバイス コンバージョン(リビングルームやパソコンからのコンバージョンを含む)もモデル化されています。

注: Google 広告で推定できるコンバージョンの割合は、それぞれの状況における観測可能なデータの量と、観測可能なデータの代表性(広告主様のユーザーベース全体の特性をどれほど正確に反映しているか)によって異なります。この割合は、問題のタイプによっても異なります。観測可能なデータが多いほど、モデルの品質は向上します。そのため、Google タグ同意モード拡張コンバージョンを実装することでモデルの品質向上につなげることができます。

オンライン コンバージョン モデリングの基本方針

継続的な品質の向上

他のすべてのサービスと同様に、Google のデータ サイエンティストはモデリングの精度を上げて規模を拡大するために、アルゴリズムの改良に継続的に取り組んでいます。Google では定期的に新しいサービスが導入されるため、それらのサービスを観測可能なデータの新たなソースとして、モデリングを微調整することが可能になっています(拡張コンバージョンや同意モードの導入によって、より多くのデータが測定可能になるなど)。

精度をチェックする高度な技術

Google では、モデリングの精度を確認するため、ホールドバック検証などの手法を使用しています。たとえば、Google は測定されたコンバージョンの一部を取り分けておき、その部分についてモデリングを行います。次に、そのモデリングの結果と、最初に取り分けておいた実際の測定コンバージョンとを比較して誤差やバイアスを特定し、モデルに継続的な調整を加えます。Google AI では、同様の手法が広く使用されています。

レポートに記載するデータの厳しい基準

推定コンバージョンをレポートに含めるのは、広告のインタラクションによって実際にコンバージョンが発生したと確信できる場合のみです。Google ではコンバージョンを機械的にレポートすることを避け、実際より多くのコンバージョンがレポートされる可能性を最小限に抑えるよう心がけています。そのため、十分な数のコンバージョンが安定的に測定できない場合、モデリングは実施されず、レポートに推定コンバージョンは記載されません。

状況に応じて異なるモデリング手法を使用する

測定データに生じる差異は多様で、観測可能なデータにもさまざまなタイプがあるため、Google ではそれぞれの差異のタイプに応じて異なるモデルを使用します。また、異なるモデル間でカウントが重複するのを防ぐ手法も採用しています。コンバージョン率は広告チャネルによって大きく異なるため、チャネルや広告インタラクションのタイプ(表示回数やクリックなど)ごとに別個のモデルを構築しています。

ビジネスやユーザーの行動によってモデルの出力結果は異なる

Google では、まず測定データの差異に対応する一般的なモデリング アルゴリズムを構築し、そのアルゴリズムを各広告主様のデータに個別に適用します。ユーザー行動のパターンやコンバージョン率は広告主様によって異なるため、得られる結果もそれぞれ異なります。たとえば、あるデバイスでカスタマー ジャーニーを開始し、別のデバイスでコンバージョンを達成する傾向が強いユーザーを持つ広告主様の場合、報告されるクロスデバイスの推定コンバージョンの数は平均より多くなります。

他の識別子を使用する

トラフィックの一部のセグメントでは、コンバージョンが発生した場所を測定するために追加のシグナルが使用されます。たとえば、IP アドレスを使用してコンバージョンを推定する場合があります。

影響の大きなモデリングの変更点を通知する

Google では、モデリングの変更をロールアウトする前に、常にテストを実施します。また、レポートや入札に大きな影響が及ぶことがわかった場合は、その点について通知いたします。

自動的な統合

正確性が確保できる場合、Google では入手可能なデータに基づいて、コンバージョンのレポートと最適化に統合コンバージョン モデリングが活用されます。Cookie に同意していないユーザー群のコンバージョンを測定できない場合などは、コンバージョン モデリングを実施するために、広告主様の同意率のデータが必要になります。


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