以下に示す手順では、現場環境で Microsoft Windows 展開サービス(WDS)インフラストラクチャがすでに正しく機能していることを前提としています。
要件
- ChromeOSFlex_WDS_Utilities.zip: ChromeOSFlex_WDS_Utilities.zip ファイルのコピー。このファイルには、Windows プレインストール環境(WinPE)でのイメージ作成処理に必要となるスクリプトとツールが含まれます。
注: このパッケージの一部として含まれている .WIM ファイルは、x86 PXE ブートしかサポートしていない非常に古いデバイスでは機能しない可能性があります。 - 一括デプロイ イメージ: WDS によるデプロイ向けに作成された特別な ChromeOS Flex ディスク イメージ。標準のインストール ファイルで一括デプロイを行うことはできません。
注: 現在のところ、ChromeOS Flex の一括デプロイ可能なディスク イメージは、最新の UEFI ブート アーキテクチャを使用するデバイスにのみ対応しています。BIOS または Legacy ブート アーキテクチャを使用する旧式のパソコンは対象外です。 - ネットワーク ファイル共有:
- 約 40 GB のストレージ。ネットワーク共有で、イメージ作成スクリプト、ChromeOS Flex イメージ ファイル、関連ツールをホストします。
- ネットワーク共有への適切な読み取りアクセス権を備えた特定のネットワーク アカウント。
注: イメージベースのデプロイでは、実際のドライブサイズにかかわらず、約 40 GB のディスク容量を使用します。そのため、一括デプロイを使用した場合は利用できる保存容量が少なくなります。
手順 1: ネットワーク共有と権限を設定する
- ネットワーク共有の作成: 適切な管理者権限を備えたアカウントを使用して、ネットワーク上に共有フォルダを作成します。ChromeOSFlex_WDS_Utilities.zip をダウンロードして、その内容を共有フォルダに解凍します。
- 共有権限と NTFS 権限の設定: 共有フォルダに対し、共有権限と NT ファイル システム(NTFS)セキュリティのための適切な読み取り権限を割り当てます。
- 共有権限 - 読み取りを許可します。
- セキュリティ - 読み取りと実行、フォルダの内容の一覧表示、読み取りを許可します。
- 一括デプロイ イメージに対して次のいずれかのオプションを選択します。
- 自動登録の際に作成した .bin イメージ ファイルを使用します(該当する場合)。
- ChromeOS Flex 一括デプロイ イメージをダウンロードします。ファイルを、作成した共有ネットワーク フォルダに解凍します。
- startnet.cmd ファイルの編集: 共有ネットワーク フォルダで、startnet.cmd ファイルを探して開きます。プレースホルダを置き換えて、保存します。
- USERNAME - ChromeOS Flex ファイルが格納されているネットワーク共有への読み取り権限を持つドメイン ユーザーのユーザー名。
- PASSWORD - ChromeOS Flex ファイルが格納されているネットワーク共有への読み取り権限を持つドメイン ユーザーのパスワード。
- DOMAIN NAME - ご利用の Windows ドメイン名。
- \\SERVERNAME\SHARENAME - ChromeOS Flex ファイルが格納されているネットワーク共有のパス。
- FILENAME.BIN - サイズの大きい .bin ファイルの名前。
注: startnet.cmd の目的は、カスタマイズした一連の手順によって WinPE セッションを開始することです。パソコンのワイプを行い、新しい ChromeOS Flex イメージをディスクに書き込みます。
手順 2: ブートイメージを編集する
作成した startnet.cmd ファイルがインクルードされるように .wim ファイルを編集します。
- ChromeOS Flex ファイルをホストしているネットワーク ファイル共有サーバーに直接接続します。リモート デスクトップ プロトコル(RDP)または同様のアクセス方法を使用して、直接セッションを確立します。
注: .wim ファイルの編集に使用するコマンドは、PsExec などのリモート コマンド プロンプトを使用している場合を除き、リモート ネットワーク共有で実行することはできません。 - 管理者として実行する、管理者特権のコマンド プロンプトを起動します。
- コマンド プロンプトで、ディレクトリを ChromeOS Flex ファイルが格納されている共有ネットワーク フォルダに変更します。
- 続けてコマンド プロンプトで、chromeosflex.wim ファイルの内容をマウントします。ChromeOS Flex ファイルが格納されているフォルダとターゲット作業ディレクトリ(tmp フォルダ)のローカル共有パスを置き換えます。次のコマンドを実行します。
imagex /mountrw [chromeosflex.wim ファイルのパス] 1 [tmp フォルダのパス]
例:imagex /mountrw z:\deployment_share\chromeosflex\chromeosflex.wim 1 z:\deployment_share\chromeosflex\tmp
ここで、z:\deployment_share\chromeosflex\chromeosflex.wim は ChromeOS Flex ファイルのパスで、z:\deployment_share\chromeosflex\tmp は tmp フォルダのパスです。
imagex /mountrw
コマンドは、imagex ユーティリティを使用して chromeosflex.wim ファイルの内容を抽出、マウント、変更して、カスタムの startnet.cmd ファイルをインクルードします。 - Windows エクスプローラーを使用して、カスタムの startnet.cmd ファイルを ..\tmp\windows\system32 フォルダにコピーして、以前のファイルを上書きします。
- エクスプローラー ウィンドウ、notepad.exe インスタンス、tmp サブフォルダにアクセスしている可能性のある開いたファイルをすべて閉じます。
注: 次の手順のマウント解除処理時に使用中のファイルがあってはなりません。使用中のファイルがある場合、.wim ファイルのマウント解除を拒否することを示すエラーが表示されます。 - コマンド プロンプトで、.wim ファイルをマウント解除します。次のコマンドを実行します。
imagex /unmount /commit [tmp フォルダのローカルパス]
例:imagex /unmount /commit z:\deployment_share\chromeosflex\tmp
imagex /unmount
コマンドは、imagex ユーティリティを使用して chromeosflex.wim ファイルをマウント解除し、カスタムの startnet.cmd ファイルをインクルードするために行った変更で .wim ファイルを更新します。
カスタムの chromeosflex.wim ファイルがマウント解除されたら、ブートイメージの編集は完了です。
手順 3: WDS 用のブートイメージを有効にする
カスタムの chromeosflex.wim ファイルを、既存の WDS インフラストラクチャで利用可能なブートイメージとして設定します。
注: ChromeOS Flex 共有用に作成した作業ディレクトリが WDS サーバー以外のサーバー上にある場合は、chromeosflex.wim ファイルを WDS サーバーのローカル ドライブにコピーできます。または、.wim ファイルをホストしているサーバーの UNC パスを使用して、ファイルをリモートでマッピングできます。ブートイメージの作成処理中、.wim ファイルは WDS によって使用され、その独自の構造内にローカルに保存されます。
- WDS インフラストラクチャをホストしている Windows インスタンスを起動します。
- Windows 展開サービスを開きます。
- PXE イメージをホストしているサーバーを展開します。
- [ブートイメージ] を右クリックして、[ブートイメージの追加] をクリックします。
- カスタムの chromeosflex.wim ファイルの場所まで移動して、[次へ] をクリックします。
上述の例では z:\deployment_share\chromeosflex\chromeosflex.wim になります。 - 指定内容がすべて正しいことを確認して、[次へ] をクリックします。
- 進捗状況を観察します。処理の完了まで通常は 5 分以内です。
- [完了] をクリックします。
これでブートイメージの一覧に一括デプロイ イメージが表示されます。
手順 4: ChromeOS Flex をデバイスにデプロイする
ChromeOS Flex をインストールすると、対象デバイス上にある既存のデータ、アプリケーション、設定、OS がすべて消去されます。インストールに失敗した場合でも、失われたデータは復元できません。続行する前に、必要なデータのバックアップを確保していることを確認してください。
- ChromeOS Flex イメージ作成の対象デバイスを選択します。
- PXE またはネットワークを介したブート方法を使用してデバイスを起動します。BIOS 設定が正しく構成されていることを確認します。
- BIOS では、ブート方法としてネットワーク ブートまたは PXE ブートを利用できます。
- UEFI ブートがデフォルトのブート方法として構成されています。
- お使いの環境で定義されている WDS ブートイメージが 1 つであるか複数であるかに応じて、次のようになります。
- 利用可能なブートイメージが ChromeOS Flex だけである場合 - デバイスで一括デプロイ イメージが直接起動されます。デプロイは自動的に進行します。
- 利用可能なブートイメージが複数ある場合 - 矢印キーと Enter キーを使用して、カスタムの ChromeOS Flex イメージを選択します。
WinPE 環境が読み込まれると、黒色のコマンド プロンプトが表示され、コマンドが正常に実行されたことが示されます。ChromeOS Flex がインストールされた状態でデバイスが再起動します。
デプロイ中に問題が発生した場合や、エラー メッセージが表示された場合は、Chrome Enterprise サポートまでお問い合わせください。
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