Google Workspace with Gemini 導入ガイド

フェーズ 1: AI の導入に向けて準備する

フェーズ 1 では、Workspace の AI 機能を従業員に紹介し、業務で効果的に活用する方法を特定します。また、従業員の関心を引きつけることを目的としたコミュニケーションの計画を立てます。   

このページの内容


ステップ 1: AI のステークホルダーを関与させる

企業全体に AI を導入するには、以下のステークホルダーを巻き込み、それぞれが戦略的な役割を果たすようにします。組織の規模に応じて、個々人、チーム、または 1 人が複数の役割を担う場合があります。


上層部の支持者

通常は経営陣であり、以下の役割を果たします。

  • AI のメリットを発表し、社内で共有することで、会社の変革の顔として活動する
  • 他のリーダーや経営陣を同じ目標に向かわせる
  • 他のステークホルダーにリソースを割り当てる
  • 戦略とプロジェクトの定義を支援する

Google Workspace 管理者

管理コンソールを使用して以下を行える管理者です。

  • 会社のセキュリティ ポリシーとデータポリシーに準拠した AI を確保する
  • AI 機能へのユーザー アクセスを管理する
  • AI の使用状況とアクティビティをモニタリングする
  • 新機能とアルファ版プログラムの最新情報を入手する

詳しくは、以下の AI の機能とポリシーを設定するをご覧ください。


導入チーム

このチームには、以下のような意思決定者とビジネス リーダーが参加します。

  • 部門内の変革を推進する
  • AI のユースケースと目標の定義を支援する
  • トレーニング、サポート、成功事例に関するリマインダーを送信する
  • ステータスと結果をリーダーと共有する

 Google ガイド

以下を担当するアーリー アドプターです。

  • 同僚に AI の使用を広める
  • オフィスアワーなどを通じて、ピアツーピアのサポートを提供する
  • 経営陣と導入チーム向けのフィードバックと分析情報を収集する

詳しくは、このガイドの後半にあるアーリー アドプターとして Google ガイドを募集するをご覧ください。


ステップ 2: ベースライン ユーザー アンケートを実施する

次に、従業員にアンケートを実施して、現在の業務上の課題と、AI がどのように役立つと思われるかを把握します。ここで得た回答は、次のステップで AI のユースケースと目標を特定する際に役立ちます。このベースライン情報は、この導入計画のフェーズ 3 で影響と成功を測定するためにも使用します。

ヒント: Google フォームを使うと簡単にアンケートを作成できます。すぐに結果が表示され、チャートやグラフを使って回答の概要が一目でわかるように要約できます。フォームでアンケートを作成するをご覧ください。

アンケートの質問例はこちらをクリック

ヒント: Gemini にこれらの質問を組織に合わせて調整するように指示します。はじめに、Gemini のプロンプトの書き方に関するヒントをご覧ください。

経歴

  • 役職または担当業務を教えてください。
  • 生成 AI についてどの程度ご存じですか。(5 段階で評価)
  • プロンプト作成やプロンプト設計についてどの程度知っていますか。(5 段階で評価)

現在の体験

  • 既存の Workspace アプリ(Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Chat など)は、日常業務にどの程度役立っていますか?(5 段階で評価)
  • Workspace アプリを日常業務にどの程度活用していますか。(5 段階で評価)

要望

  • 時間がかかりすぎているビジネス プロセスや、Gemini により迅速化が期待できるビジネス プロセスは何ですか。
  • Gemini は組織全体にどのように役立つと思いますか。

ステップ 3: ユースケースと目標を確認する

AI から実際のビジネス価値を引き出すには、AI が従業員の日常業務にどのように役立つかを具体的に特定します。

  1. Gmail やドキュメントの「文書作成サポート」や Google Vids での動画作成など、Workspace で利用可能な AI 機能をご確認ください。AI 機能の一覧表示
  2. 部署または職務ごとに、こうした機能の具体的なユースケースを特定します。
  3. 各例について、ビジネスにとって重要な点を踏まえて、達成したい目標を挙げます。

    ヒント: 生産性仕事の質従業員顧客満足度ワークフローに基づいて、測定可能な目標を設定します。この目標は、後で影響と成功の指標を追跡するために使用します。

始めるうえで参考となる職務とユースケースを以下に示します。

プロダクトとエンジニアリング

ユースケース

プロダクト開発:

  • 新製品のアイデアと顧客事例を創出する
  • プロダクトとエンジニアリングの仕様草案を作成する
  • ユーザーのフィードバックを分析して要約する
  • 会議のメモや文字起こしからアクション アイテムを生成する
目標
  • プロダクト開発を迅速化する
  • ビジネスチームとエンジニアリング チーム間のコミュニケーションを改善する
  • 新製品の品質を改善する
  • オーバーヘッドを削減して技術的な作業に時間を割く

人事と人材管理

その他の例: 人事に Gemini を使用する

ユースケース

採用とオンボーディング: 

  • 職務記述書を作成する
  • 求職者向けにカスタマイズしたアウトリーチ メールの下書きを作成する
  • 面接の準備をする

従業員のトレーニングと能力開発: 

  • 会社のポリシーに関するトレーニングのカリキュラムやスクリプトを作成する
  • トレーニングでのストーリーテリングを強化する
目標
  • コンテンツのブレインストーミングと開発にかかる時間を短縮する
  • 求職者の応募体験を改善する
  • トレーニングとポリシーに関する文書の品質を向上させる
  • 社内トレーニングで従業員の満足度を高める

IT 管理者

ユースケース

ドキュメントとコミュニケーション: 

  • ナレッジベースの記事とユーザーガイドの下書きを作成する
  • 技術的なポリシーや変更に関するお知らせの下書きを作成する
  • NotebookLM を使用して一元化されたナレッジハブを作成する
目標
  • ドキュメントの品質を改善する
  • 専門的な情報を伝えることで従業員のエクスペリエンスを向上させる
  • 情報を一元管理して共有することでチームに最新情報を提供する
  • IT の優先事項に集中するための時間を確保する

マーケティング

その他の例: マーケティングに Gemini を使用する

ユースケース

コンテンツの開発: 

  • ブログ投稿、ウェブサイトのコピー、ソーシャル メディアの投稿に関するアイデアをブレインストーミングする
  • 競合分析を調査する
  • クリエイティブ ブリーフとホワイト ペーパーの下書きを作成する
目標
  • クリエイティブ プロセスを迅速化する
  • 市場での信頼性と関連性を高める
  • キャンペーン開始までの時間を短縮する

営業

その他の例: 営業に Gemini を使用する

ユースケース

調査: 

  • パーソナライズされたアウトリーチを生成する
  • 顧客ペルソナをターゲットにする
  • 調査して見込み顧客の発掘を迅速化する

魅力的なコンテンツの作成:

  • 現場で迅速に対応する
  • ライターズ ブロックを克服する
目標
  • コンテンツの成果と品質を高める
  • コンバージョンを促進する

ステップ 4: AI の機能とポリシーを設定する

Google Workspace with Gemini を使用すると、Workspace の他のサービスと同じエンタープライズ グレードのセキュリティ機能とデータ保護機能をご利用いただけます。詳しくは、プライバシー ハブをご覧ください。

また、Gemini によるデータの取り扱いと、どのユーザーがどの機能を使用できるかについて、以下の管理と監視を行うこともできます。

セキュリティとガバナンスを管理する

管理コンソールを使用して以下の操作が可能です。

  • AI 分類ラベルを適用して、Gemini が機密性の高いユーザーデータにアクセスできないようにする。詳細
  • Gemini が従うデータ取り扱いポリシーを設定するデータ損失防止(DLP)データ リージョンをご覧ください。
  • スマート機能を使用して Gemini がユーザーのデータを他の Google サービスと共有できるかどうかを制御します。詳細

AI 機能へのアクセスを管理する

ユーザー、チーム、組織全体に対して、以下の機能を有効または無効にすることもできます。

  • Gemini アプリ詳細
  • 各 Workspace アプリ内の Gemini(Gmail、ドライブ、ドキュメントなど)。詳細
  • NotebookLM詳細
  • Google Vids詳細
  • Meet 会議での AI によるメモ作成機能詳細
  • Gemini アプリの Workspace 拡張機能詳細

ステップ 5: 変更を周知する方法を計画する

ユーザーが AI に興味を持ち続けるように、リマインダー、ヒント、会社の戦略に関する最新情報を定期的に発信します。

周知のタイムラインの概要

導入の 3 つのフェーズにわたって周知を段階的に行うための計画の例を以下に示します。

フェーズ 1: 準備 フェーズ 2: AI の使用 フェーズ 3: 測定と拡大
会社に通知する Google ガイドを募集する 影響アンケートを実施する
  and then経営陣からの動画を公開   and thenAI ロードショーを開催   and then成功事例を共有
    and thenベースライン アンケートを実施     and thenリマインダーを送信     and thenヒントを投稿
      and thenトレーニング サイトをリリース       and then簡単なアンケートを実施       and then新機能を発表

ヒント: Gemini を使用して、周知メッセージの作成時間を短縮できます。はじめに、Gemini のプロンプトの書き方に関するヒントをご覧ください。

広めるためのアイデア

  • キックオフのお知らせ - まず、エグゼクティブ スポンサーからのメールまたは動画のお知らせで、AI の機能とそのメリットを従業員に紹介します。
  • AI ロードショー - アーリー アドプターがチームと面談し、そのチーム向けにカスタマイズしたユースケースのデモを実施します。
  • ニュースレターとリマインダー - AI に関するヒント、戦略、成功事例を毎週発信します。
  • アンケート - フェーズごとに実施してフィードバックを集め、影響を測定します。
  • ポスター - 主なユースケースやプロンプトを紹介するビジュアルを職場に表示します。

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