eCDN を使用して帯域幅を抑えて大規模なライブ配信を主催する

大規模なライブストリームを主催する前に

Meet eCDN をセットアップするには、eCDN トラフィックが通過できるようにネットワークを構成します。その後、ネットワーク構成を含む CSV ファイルを作成して、Google Workspace 管理コンソールにアップロードします。

始める前に

注: このページのタスクを実行するには、ネットワークエンジニアが必要になる場合があります。

バージョン 121 以降の Chrome ブラウザを使用します。モバイルアプリやその他のブラウザでは、Meet eCDN がなくてもライブストリームを視聴できます。ライブストリームは Google のデータセンターから直接取得されますが、メディアは共有されません。これにより、帯域幅が増加する可能性があります。

手順 1: 技術的な互換性を確認する

ネットワーク設定、ソフトウェア、デバイスが eCDN に対応していることを確認します。

手順 2: 永続的な WebSocket 接続を許可する

すべてのプロキシまたはファイアウォールソフトウェアで、meet.google.com/ecdn/tracker/* の継続した接続と WebSocket（基盤となるプロトコルとして HTTPS を使用）のアップグレードを許可します。

手順については、プロキシまたはファイアウォールのドキュメントをご覧ください。

手順 3: WebRTC 経由の P2P 接続を許可する

ネットワーク内のデバイスは、UDP 経由の WebRTC を使用して直接接続できる必要があります。これを実現するには、デバイスを互いに公開し、ネットワークで 30,000 を超えるポートを持つ UDP トラフィックを許可します。

手順 4: ピアリンググループを定義してネットワークルールを作成する

ピアリンググループは、メディアを相互に共有できるノードの集合です。ピアリンググループ内のデバイスは、ピアリングが許可されているか、ピアリングがブロックされています。許可されたデバイスは、同じピアリンググループ内の他のデバイスにのみ接続できます。

ピアリンググループでは、メンバー間のネットワークを高速化し、ボトルネックを回避する必要があります。これにより、メディア配信を効率化し、ネットワーク内のネットワークリンクの過負荷を回避できます。

ピアリンググループとネットワークルールを設定し、CSV ファイルに追加します。このページの CSV ファイルの形式で、Google が提供するテンプレートを使用できます。

建物やサイト内のローカルピアリングにピアリンググループを設定する方法は、帯域幅の制約を回避するうえで効果的です。より複雑なネットワークシナリオは、より詳細なピアリンググループで解決できます。

VPN の使用を避ける

視聴者は、VPN から接続する際に Meet eCDN を使用することはできません。VPN で使用される IP 範囲を、CSV ファイルで除外ピアリンググループとして定義することを強くおすすめします。そうでない場合、デバイスは、ネットワークが近接していないにもかかわらず、近接しているように表示されます。接続すると、eCDN を使用しない場合よりも多くの帯域幅が使用される可能性があります。

CSV ファイルの書式設定を行う

eCDN のネットワーク環境を定義する CSV ファイルを作成します。このファイルは、Meet eCDN のカスタムルール設定の一部としてアップロードされます。ルールはファイル内の 1 行です。

カスタムルールは、デバイスのプライベート IP アドレスに適用される際、上から順に評価されます。デバイスに一致する最初のルールが、そのデバイスに適用されます。ファイル内の下位にある競合するルールは無視されます。

アップロードできるファイルサイズの上限は 10 MB です。Google が提供するファイルテンプレートを使用することも、以下の表の構造を使用して独自のファイルを作成することもできます。テンプレートを見つけるには:

管理者アカウントで Google 管理コンソールにログインします。
管理者アカウントを使用していない場合は、管理コンソールにアクセスできません。
メニューアイコン [アプリ] > [Google Workspace] > [Google Meet] にアクセスします。
アクセスするにはサービス設定の管理者権限が必要です。
[Meet の動画設定] をクリックします。
[eCDN 設定] をクリックします。
セクションの右上にある ➕ アイコンを選択します。
[テンプレートをダウンロード] をクリックします。

CSV ファイルのテーブル構造

列	説明	形式	例
ネットワーク名	ピアリンググループを定義するグループ化キー（同じネットワーク名を持つ許可されたデバイスどうしが接続される可能性があります）。	半角 30 文字以内	US-NYC
ネットワークロケーション	サブネット範囲の詳細な説明。	半角 30 文字以内	Wi-Fi
IP 範囲の開始	指定された範囲の最小 IP。	123.123.123.123	192.168.1.1
IP 範囲の末端	指定された範囲の最大 IP アドレス。	123.123.123.123	192.168.2.255
ピアリングポリシー	「許可」または「ブロック」	「許可済み」または「ブロック中」	許可