この記事の対象者
この記事は、ウェブサイトのお問い合わせフォームからメールが届かないという Gmail の問題が発生している方を対象としています。Gmail の問題に関する情報をお求めの場合は、Gmail ヘルプ コミュニティに参加することをおすすめします。
ウェブサイトからのお問い合わせフォームのメールを Gmail で受信できない場合は、この記事の解決策をお試しください。この記事では、問い合わせフォームに関する次のような一般的な問題のトラブルシューティングについてご案内します。
- Gmail に問い合わせフォームからのメールが届かない
- ウェブサイトのお問い合わせフォームからの正当なメールが、迷惑メールに分類されているか受信が拒否されています。これには、以下の問い合わせフォーム プロバイダからのメールも含まれます。
- Contact Form 7
- GoDaddy
- Zendesk
- Squarespace
- Shopify
ヒント:
- 通常、問題の原因はフォームではなく、メール配信システムによるフォームからのメールの送信方法です。
- Contact Forms Pro は、お問い合わせフォームへのメールの管理に役立つソリューションです。
お問い合わせフォームから Gmail へのメール送信の仕組み
多くのウェブサイトにお問い合わせフォームが掲載されており、誰かがそのフォームに入力すると自動的にメールが送信される仕組みになっています。会社のウェブサイトにお問い合わせフォームを掲載している場合、そのようなメールが Google Workspace Gmail アカウントに届くように設定することは一般的によくあります。
ウェブサイトのお問い合わせフォームから Gmail のメールボックスには、次のようにメールが送信されます。
- ユーザーが問い合わせフォーム(A)に情報を入力し、フォームを送信します。
- お問い合わせフォームでメールが自動的に作成され、Google のメールサーバー(B)を経由して送信されます。
- メールを配信する前に、Gmail によりメールがスキャンされ、迷惑メールでないことと有害なソフトウェアが含まれていないことが確認されます。
- Gmail からお問い合わせフォームのメールの宛先に設定したアカウント(C)にメールが配信されます。
お問い合わせフォームのメールが迷惑メールに分類された、または拒否された
Gmail では、お問い合わせフォームのメールを迷惑メールに分類したり、拒否したりする場合があります。多くの場合、この問題の根本原因は、お問い合わせフォームのプロバイダがメールを認証する方法にあります。お問い合わせフォームのメールは通常、SPF、SMTP リレー、DKIM によって認証されます。
次の手順でフォーム メッセージの認証方法を特定し、トラブルシューティングを実施してください。
手順 1: フォーム プロバイダの認証方法を確認する
独自のメール送信サーバーを使用しており、SPF または DKIM の DNS レコードを設定する必要があるかどうか、またはお問い合わせフォームのメールを送信するために外部 SMTP 認証情報を提供する必要があるかどうかをフォーム プロバイダにお問い合わせください。フォーム通信の最も一般的な認証方法は、SPF、DKIM、外部 SMTP 接続です。
プロバイダが使用している認証方法:
- SPF の場合は、SPF レコードを準備するに進みます。
- SMTP リレーの場合は、プロバイダで SMTP パスワードを確認するに進みます。
- DKIM の場合は、DKIM を設定するに進みます。
これらのステップでは、よく使用されているお問い合わせフォーム プロバイダのリストと、そのヘルプ ドキュメントへのリンクもご案内します。
ステップ 2a: SPF レコードを更新してすべてのメール送信元を含める
SPF は、メールの送信を許可するドメインと IP アドレスを指定するメール認証方式です。サーバーは、貴社のドメインから送信されたと考えられるメールを受信すると、貴社の SPF レコードをチェックして、送信元が貴社から承認されていることを確認します。
SPF レコードの仕組みについては次の動画をご視聴ください。
SPF を設定するには、ドメイン プロバイダで DNS TXT レコードを追加します。
サードパーティの送信者を SPF レコードに追加する
Workspace の Gmail アカウントのみを使用してメールを送信する場合は、Google 用のデフォルトの SPF レコードを使用できます。
v=spf1 include:_spf.google.com ~all
ただし、ドメインのメールを他のサービスから送信するときには、SPF レコードを更新してそれらの送信元を含める必要があります。これを行わない場合、それらの送信元からのメールは迷惑メールに分類される可能性が高くなります。自動的にメールを送信するお問い合わせフォームは、貴社のドメインのメール送信元です。そのため、SPF レコードを更新して、お問い合わせフォーム プロバイダの IP アドレスまたはドメインを含める必要があります。
ドメインのすべてのサードパーティの送信者が SPF レコードに含まれていない場合は、それらの送信者が含まれるようにレコードを更新してください。詳しい手順については、SPF を設定するをご覧ください。
よく使用されているサードパーティの送信元の SPF レコードの例
一般的なプロバイダの Google Workspace SPF レコードの更新方法の例を以下に示します。
重要: プロバイダは SPF 要件を随時変更することがあります。SPF レコードに含める最新の IP アドレスまたはドメインについては、必ずプロバイダの現在のサポート情報を参照してください。
次の例に示すように、SPF の include: 機構を使用して、メールの送信元をデフォルトの SPF レコードに追加します。
SPF レコード |
サポート対象の送信元 |
---|---|
v=spf1 include:_spf.google.com ~all |
Google Workspace から送信されたメールのみに対応しています。 |
v=spf1 include:_spf.google.com include:mail.zendesk.com ~all |
Google Workspace および Zendesk から送信されたメールに対応しています。 |
v=spf1 include:_spf.google.com include:secureserver.net ~all |
Google Workspace と GoDaddy から送信されたメールに対応しています。 |
v=spf1 include:_spf.google.com include:shops.shopify.com ~all |
Google Workspace と Shopify から送信されたメールに対応しています。 |
SPF レコードにすべての送信者が含まれていることを確認する
Google 管理者ツールボックスを使用して SPF レコードを確認し、ドメインのすべてのサードパーティ送信者が含まれていることを確認します。詳しい手順については、既存の SPF レコードがあるかどうかを確認するをご覧ください。
認証に SPF を使用するプロバイダ
以下に、よく使用されているお問い合わせフォーム プロバイダの SPF に関するヘルプ情報へのリンクをまとめました。
- GoDaddy
- Shopify: Shopify では、ウェブサイトに掲載するお問い合わせフォームに Wufoo を使用することをおすすめしています。
- Zendesk
- 123FormBuilder
- FormAssembly
- WordPress では、ウェブサイトに掲載するお問い合わせフォームに次のいずれかのサービスを使用することをおすすめします。
注: リンクは変更される可能性があります。問題がある場合は、プロバイダのヘルプセンターを直接ご参照ください。
問題が解決しない場合
上の対応を行っても SPF レコードの問題が解決しない場合は、ウェブサイトまたはフォームのプロバイダにお問い合わせください。
ステップ 2b: プロバイダで SMTP パスワードを確認する
一部のメール送信元では、送信メールの認証に SMTP が使用されています。送信元はユーザー名とパスワードを使用して SMTP サーバーにログインし、本人確認を行います。これにより、有効な送信元のみが SMTP サーバーを使用してメールを送信できるようになります。
SMTP リレーを設定するには、SMTP プロバイダからの接続情報が必要です。Gmail で SMTP を使用する場合は、プリンタ、スキャナ、アプリからメールを送信する方法で接続の詳細をご覧ください。
SMTP のユーザー名とパスワードを確認する
ご利用のプロバイダが SMTP を使用してお問い合わせフォームのメールの送信と認証を行っている場合は、SMTP サーバーのログイン情報が正しいことを確認してください。Google 管理コンソールではなく、ウェブサイトまたはフォーム プロバイダでユーザー名とパスワードを確認します。
認証に SMTP を使用するプロバイダ
以下に、よく使用されているお問い合わせフォーム プロバイダの SMTP に関するヘルプ情報へのリンクをまとめました。
- Shopify: Shopify は SMTP リレーを使用した問い合わせフォームに Jotform を使用することを推奨しています。
- WPForms: SMTP リレー方式を使用します
- Formstack: SMTP / OAuth 認証を使用します
注: リンクは変更される可能性があります。問題がある場合は、プロバイダのヘルプセンターを直接ご参照ください。
Contact Form 7 からメールが届かない場合
WordPress Contact Form 7 からのメールを受信できない場合は、WP Mail SMTP プラグインをお試しください。このプラグインは Gmail または Workspace アカウントに直接接続し、ユーザーに代わってメールを送信します。詳細と詳しい手順については、Contact Form 7 でメールが送信されない理由をご覧ください。
手順 2c: DKIM を使用して認証する
ユーザーにフォーム通信を送信する独自のメールサービスを提供している一部のプロバイダは、ユーザーに代わって送信されるメールを認証するために DKIM を設定するように求めることがあります。DKIM では、サードパーティのサービスから送信されたメールがユーザーに代わって送信されることが許可されていること、それらのメールが送信中に変更されていないことを受信者が確認できます。
DKIM を設定するには、個人の DKIM 公開鍵と、フォーム プロバイダが提供するセレクタが必要です。DKIM 鍵とセレクタを DNS レコードに追加します。受信者にメールを送信する際に Google フォーム、カレンダー、ドライブを使用するように Workspace を設定する場合も、同様の手順で設定します。
- フォーム プロバイダが Google の場合は、DKIM を設定するの手順に沿って操作します。
- 他のフォーム プロバイダについては、DKIM 鍵とセレクタの取得方法および認証の設定方法に関するドキュメントをご覧ください。
認証に DKIM を使用するプロバイダ
以下に、よく使用されているお問い合わせフォーム プロバイダの DKIM に関するヘルプ情報へのリンクをまとめました。
注: リンクは変更される可能性があります。問題がある場合は、プロバイダのヘルプセンターを直接ご参照ください。
ステップ 3: 見当たらないメールをメールログ検索で見つける
メールログ検索(ELS)を使用すると、届くはずが届かなかったメールを見つけることができます。お問い合わせフォームからのメールが Gmail に見当たらない場合は、ELS を使用してメールを検索してください。
ELS を使用して見つからないメールを探す手順について詳しくは、メールログ検索を使用してメールを検索するをご覧ください。
紛失したメールが ELS で見つかった場合は、メールのステータスを確認して、メールが想定どおりに配信されなかった理由を詳しく調べます。メールのステータスについて詳しくは、メールログ検索の配信ステータスの定義をご覧ください。ELS での DMARC エラー メッセージ
ELS の結果に次のエラーが含まれている場合は、ドメインの一部のメール送信元が SPF レコードに含まれていない可能性があります。
550-5.7.26 [ドメイン名] の DMARC ポリシーに基づき、[ドメイン名] からの未認証メールが受け付けられません
このページの SPF レコードにサードパーティの送信者を追加するをご覧ください。
ELS での SMTP エラー メッセージ
ELS の結果に SMTP エラー メッセージが表示されることがあります。問題の特定に役立つエラー メッセージの説明については、Gmail の SMTP エラーとコードをご覧ください。
関連トピック
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